夏の頭痛は何が原因で起こる?予防するには?

2019/7/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

頭痛は体質や気圧の変化、脳の疾患などさまざまな原因から起こりますが、人によっては毎年夏になると頭痛に見舞われるという人もいます。
今回は、夏の頭痛の原因とされる「冷房病」と「熱中症」について、予防方法とあわせてご紹介します。

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夏の頭痛の原因:屋内・屋外の気温差(冷房病)

夏に起こる頭痛の原因として、まず挙げられるのはいわゆる「冷房病」です。

人間の体は季節に応じて変化しています。暑い夏には適度に汗をかいて体温を下げられるよう、毛細血管を広げ放熱しやすい状態になっています。しかし、体の放熱機能は暑い屋外だけでなく、冷房の効いた屋内でも同様に働いて体温を下げようとします。その結果、体が冷えすぎて頭痛などの症状が引き起こる場合があるのです。

また、屋外と屋内の気温差によって体温調節を担う自律神経のバランスが崩れることも、冷房病による夏の頭痛発症の原因となります。

夏の頭痛の原因:熱中症

冷房病と並び、夏の頭痛を引き起こす原因となりやすいのが「熱中症」です。

熱中症は、暑い場所に長く居続けたことで体温調節機能に異常をきたし、体内の熱をうまく逃がせなくなって、大量の汗をかくことで体液のバランスが崩れ発症する症状です。

屋外での作業に没頭しているときなど、水分不足の状態が続くと知らない間に体内の水分と塩分が大量に失われ、熱中症から頭痛や吐き気を催すようになるとされます。

以下の条件に該当する方は特に熱中症による頭痛を発症しやすいため、注意が必要です。

  • 体温調節機能が未熟で、暑さを自覚しにくい乳幼児や高齢者
  • 心臓病や糖尿病、高血圧、腎臓病など何らかの持病を抱えている方
  • その他、運動習慣がない人や太っている人、体調が良くない人、暑さに慣れていない方

夏の頭痛を予防するには?

夏の頭痛を予防するには、冷房病と熱中症、双方への発症予防対策を行うのが効果的です。以下を参考に、冷房病と熱中症対策をあわせて行い、夏の頭痛発症を予防しましょう。

  • 自分で室温を調節できる環境下の場合は、外気温からマイナス3~4度に温度設定する
  • 屋内にいるときは、「寒い」と感じないよう、着衣や羽織もので体温を調節する
  • エアコンの冷気が直接当たって体が冷えすぎないよう、風向きをコントロールする
  • 冷え予防とストレス発散のため、1日30分程度を目安に運動する習慣をつくる
  • 冷えと自律神経の失調を防ぐため、ぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴習慣をつける
  • 自律神経の失調を防ぐため、体を温める作用のある生姜やチーズなどを食事に取り入れる
  • 環境省が発表する暑さ指数(WBGT)と熱中症予防指針を参照し、生活の参考にする
  • 仕事や外出の前など、のどの渇きを感じる前段階で水分補給する
  • 水分補給では、利尿作用の高いコーヒーなどは避け水やスポーツドリンクを選ぶ

おわりに:夏の頭痛の主な原因は「冷房病」と「熱中症」です

毎年、暑い季節にばかり頭痛に見舞われるという方は、冷房病や熱中症など夏特有の原因から頭痛を発症しているかもしれません。冷房病は、エアコンによる冷えや屋外・屋内との温度差から、頭痛などの体調不良を引き起こします。一方、熱中症は暑さで体温調節機能に異常が起こり、体液のバランスが崩れることで頭痛や吐き気などを催すものです。どちらも冷えや・熱さへの対策や水分補給で予防できます。できるところから対策していきましょう。

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