記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
スカートやハーフパンツを着る頻度が多い夏に、女性が悩みやすい現象が「むくみ」です。なぜ、夏は体がむくみやすくなるのでしょうか。今回はその原因と、むくみ解消におすすめのセルフケアを紹介していきます。
通常、体内の水分割合はほぼ一定に保たれていますが、何らかの原因で細胞と細胞の隙間に水分(間質液)が溜まってしまうことがあります。その結果、太っているように見えたり、不快感が生じたりする現象が「むくみ」です。気温が高くなる夏は、以下のような原因からむくみが生じやすいと考えられています。
夏は非常に外気温が高くなりますが、その分、屋内は冷房でかなり冷やされています。また、冷たいものが欲しくなり、冷たい飲み物や食べ物を摂取する機会が増えるため、他の季節に比べて体が内と外の両方から冷えていることも多いのです。体が冷えると血流が悪くなり、体内の水分代謝が滞ると、むくみが起こりやすくなります。
足などの心臓から遠い末端部分の体液は、筋肉のポンプ機能によって心臓に戻っていくため、筋力が低下している方は、足のむくみが起こりやすくなります。特に夏は外気温が非常に高いため、外出や外での運動がおっくうになり、運動不足で筋肉量が減少してむくみが起こるケースも多いと言われています。
夏特有の原因によるむくみを解消するために、できる対策としては下記の3つが挙げられます。
筋力低下に伴うむくみには運動がおすすめですが、暑い時間帯の屋外での運動は熱中症リスクが高いです。早朝または夕方以降の涼しい時間帯を選んで適度に運動し、足や下半身の筋肉を鍛えましょう。散歩やウォーキングのほか、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うようにするのもおすすめです。
毎日の入浴法や着るものを少し工夫するだけでも、冷えは軽減されます。
まず、お風呂はシャワーだけで済まさず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を温めましょう。炭酸入りの入浴剤を入れると、より血行の改善が期待できます。
また入浴後は、吸水性と放湿性も高いシルクや麻素材のパジャマを着用し、寝汗で体が冷えるのを防ぎましょう。就寝中だけでなく、日中も冷え防止に下着や腹巻を着用しておくと効果的です。
かかとの高いハイヒールでは、せっかく歩いてもふくらはぎの筋肉が伸び縮みしにくいです。足の無理な姿勢と筋肉の硬直はむくみの原因となりますので、履く頻度を減らしましょう。
むくみの解消には、ストレッチやマッサージもおすすめです。上半身のストレッチとふくらはぎのマッサージ方法を紹介しますので、仕事の合間や入浴中などにぜひ試してみてください。
背中や肩の筋肉の凝りを軽減するストレッチです。筋肉の硬直を防ぐために、息は止めずに深呼吸を意識しながらストレッチを行ってください。
リンパの流れに沿って足を撫で上げることで、足に溜まった余分な水分や老廃物を心臓の方へ流し、血行改善やむくみの解消が期待できます。
体内の余分な塩分や水分、老廃物を排出するとされる、以下のような栄養素を含む食べ物を取り入れていきましょう。
なお、以下のような塩分が多い食べ物はむくみを引き起こしやすいため、むくみを解消・予防したいときは控えましょう。
外気温が高くなる夏は、屋内の冷房や冷たい食べ物・飲み物による体の冷えや、運動不足による筋力低下のために、体がむくみやすくなります。涼しい時間帯の運動やぬるめのお湯への入浴、ストレッチやマッサージを日々の生活に取り入れて、体の冷えとむくみを解消しましょう。また、体内の余分な水分・塩分・老廃物を排出する作用のある食品を積極的に摂るのもおすすめです。