記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
人体では、性別に合った体つきや思考を作り出すための性ホルモンが分泌されています。特に男性らしい体つきや声、思考を作ると言われているのが「男性ホルモン」です。今回は男性ホルモンとは何か、分泌のメカニズムや性差などとあわせて解説します。
男性ホルモンは、主に思春期にあたる第二次性徴のタイミングで筋肉や骨を強化し、精子を産出・射精できるようにするなど、男性らしい体つきや性機能をもたらす性ホルモンです。総称して「アンドロゲン」とも呼ばれ、作られる場所によって以下の種類があります。
男性ホルモンが分泌されるメカニズムについて、テストステロンと副腎性アンドロゲンとに分けて解説します。
まず、脳の視床下部から「GnRH(性腺刺激ホルモン)」が分泌され、脳の下垂体という部分に働きかけます。次に、脳の下垂体から「LH(黄体化ホルモン)」というホルモンが分泌され、これが精巣に作用することで精巣からテストステロンが分泌されます。
まず、脳の視床下部から「CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)」が分泌され、下垂体に働きかけて「ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)」を分泌させます。このACTHが副腎に到達し、働きかけることでデヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオンの副腎性アンドロゲンが分泌される仕組みになっています。
このように、同じ男性ホルモンでも、テストステロンと副腎性アンドロゲンでは分泌のために脳から放出される分泌物から異なってくるのです。
なお、男性ホルモンは、何らかの理由で精巣・睾丸からのテストステロン分泌量が下がると、これを補うように副腎性アンドロゲンの分泌が活性化されることがわかっています。
男性ホルモンという名称や、95%が睾丸・精巣で産出されている事実を聞くと、男性ホルモンが男性の体にしか存在しないような印象を受けますよね。しかし実際には、男性ホルモンは女性の体内でも分泌され、一定量存在しているのです。
睾丸のない女性の場合、男性ホルモンは睾丸と同じく生殖器である卵巣で作られています。しかも女性の体内での男性ホルモンの分泌量は、女性ホルモンの分泌量の10倍以上にもなると言われているのです。
男性ホルモンのような性ホルモンの分泌量は、加齢に伴って減少していきます。個人差もありますが、加齢で男性ホルモンの分泌量が低下すると、徐々に性機能の低下や性欲の減少、筋力や骨密度の低下など体への影響もみられるようになってきます。このような、男性ホルモンの分泌量減少による体の変化・不調を抑え乗り越えるには、医師の指示のもと男性ホルモンを補充する治療を受けるのが有効的です。
ただし、ホルモン補充療法による男性ホルモン量の増加や体調の改善効果については、未だ実験や研究件数が少なく、はっきりとした効果はわかっていません。ホルモン補充療法による男性ホルモンの補充を検討しているなら、医師にメリット・デメリットを十分に確認してからにしましょう。
がっしりとした体つきや低い声、男性特有の性機能をもたらす男性ホルモンは、睾丸・精巣と副腎から分泌されている性ホルモンです。別名をアンドロゲンとも言い、このうち睾丸・精巣で作られる95%をテストステロン、副腎で作られるのこりの5%をヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオンと言います。なお男性ホルモンは、女性の生殖器である卵巣でも、女性ホルモンの10倍以上の量が分泌されていることが分かっています。