ペットボトル症候群になるのはどんなとき?予防するには?

2019/8/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ペットボトル症候群になると、体がだるくなるなどの症状がみられることがあります。そこで今回はペットボトル症候群のメカニズムや予防法などをご紹介します。

ペットボトル症候群とは

ペットボトル症候群は、正式には清涼飲料水ケトーシスといいます。1990年代に1日に2~3リットルの清涼飲料水を飲み続けた高校生が、意識障害を起こして救急搬送されたことによって社会問題として取り上げられるようになったのが始まりです。

清涼飲料水には糖分がたくさん含まれているものが多く、そのような飲みものを一度に大量に体内に取り入れると高血糖になります。するとまた喉が渇いて清涼飲料水を飲むということを繰り返して、さらに高血糖となってしまい、最後には血糖をうまく細胞の中に取り込めなくなってしまい、ケトーシスを引き起こします。ケトーシスとは、ケトン体と呼ばれる代謝成分が血中に増加することで引き起こされ、腹痛や吐き気、嘔吐などの症状がみられるものです。

ペットボトル症候群の発症メカニズムって?

ペットボトル症候群は、ソフトドリンクなど糖分の多い飲み物を大量に飲み続けることで血糖値が上がり、結果としてインスリンのはたらきが低下することで起こります。するとエネルギー源としてブドウ糖が使えなり、タンパク質や脂肪が代わりに使われるようになります。

この過程で酸性物質であるケトン体が血中に生成され、血液が酸性に傾きます。その結果、嘔吐や腹痛、倦怠感、場合によっては意識障害や昏睡状態に陥ることがあります。

ペットボトル症候群を予防するには?

清涼飲料水は350mlで120~160kcal程度で、体内への吸収が早い果糖などが中心といわれています。茶碗に軽くごはん1杯のカロリーが160kcalに相当するため、おいしいからといって飲みすぎるとすぐにカロリーオーバーとなってしまいます。

また近年では健康志向の人が増え、カロリーゼロやカロリーオフを謳った商品も数多く見かけます。このような商品は、体内で吸収されにくくエネルギーになりにくい甘味料を使用したり、糖質の量を調整している場合がほとんどです。ただし、カロリーゼロは100ml当たりのエネルギーが5kcal以下、カロリーオフでは20kcal以下の場合に表示できるとされ、エネルギーがないというわけではありません。そのため、水やお茶で水分補給するようにして糖分を摂りすぎないよう心がけることが大切です。

また、短時間にまとまって水分を摂取すると、体内へあまり吸収されず、排泄されやすくなるといわれています。そのため、水分補給をするときは、1回にコップ1杯程度(150~250ml)の量を1日に6~8回程度飲むようにし、一度にたくさん飲むことは控えましょう。以下に、摂取するタイミングをご紹介します。

起床後

睡眠中に呼吸や皮膚を通して水分が失われているといわれています。朝起きたら、コップ1杯の水を飲みましょう。

食事中

食事の際は、みそ汁などの汁ものやお茶を用意するといいでしょう。また、食前に飲んだ方が胃腸に負担がかかりにくいといわれています。

入浴時

入浴中は、体から水分が失われやすい状態です。入浴中はもちろん、特に長時間お風呂につかるような場合には、入浴前にも水分補給をしておくと安心です。

就寝前

寝ている間の水分不足によって、血中のミネラルが上昇するといわれています。就寝前に水分補給をし、ミネラルの上昇を防ぎましょう。

ただし、尿の量が増える、喉が異常によく渇くなどの症状がみられる場合には、早めに病院を受診してください。

おわりに:水やお茶で水分補給をし、ペットボトル症候群を予防しよう

清涼飲料水を大量に飲み続けると、ペットボトル症候群になる恐れがあります。水やお茶で水分を補給するよう心がけてください。ただし、もし気になる症状がみられる場合は、早めに病院を受診しましょう。

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