喘息の発作は秋に起こりやすいって本当?予防のためにできることは?

2019/9/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

花粉やハウスダストなど、何らかのアレルゲンに反応して起こる気管支喘息(喘息)の発作は、1年のうち秋ごろに発生しやすいといわれています。今回は秋に喘息の発作が起こりやすいとされる理由を、喘息という病気の定義・症状や、有効な予防対策と一緒に解説していきます。

喘息とは

気管支喘息(喘息)とは、体が何らかのアレルゲンに反応して口・鼻から肺に空気を運ぶ気管支という部分に特殊な炎症が起こり、空気の通り道が狭くなってしまう病気です。

通常、気管支は内側から外側に向けて上皮細胞・気管支粘膜・平滑筋(へいかつきん)の3層から成り、粘膜で組織を守りつつ、筋肉をうまく収縮させて呼吸を行っています。しかし、喘息を発症すると気管支全体が炎症を起こして赤く腫れあがり、上皮細胞が剥がれて刺激に敏感になるとともに、平滑筋が収縮して気管支の直径が狭くなります。すると、会話するときの呼吸や気温差、においなどちょっとした刺激で気管支が収縮し、喘息症状が現れるようになるのです。

従来、喘息はこの気管支の収縮を治療すべき疾患だと考えられてきましたが、近年では収縮の根本原因である気管支の炎症を治すべき疾患と認識が改められています。

秋は喘息の症状が出やすい季節?

気温差・気候の変化の影響を受けやすい喘息症状は、季節の変わり目にあたる春または秋に、悪化しやすくなります。
とくに朝晩と日中の気温差が大きく、ヨモギなどの草本花粉も飛散し体調を崩しやすくなる10月は、気管支喘息が最も悪化しやすい時期とされているのです。

気温が一定な夏・冬には体調変化が少ないのに、季節の変わり目に以下のような症状が毎年現れているようなら、気管支喘息を発症しているかもしれません。

  • 話しているときは、気温差が大きいところへ出入りしたときに咳き込んでしまう
  • 息苦しい感じがして、呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)がある
  • 咳や喘鳴などの症状は、特に夜間や早朝など横になっているときに起こりやすい
  • 息苦しさと咳から横になっていられなかったり、夜中に目が覚めたりする
  • 胸の痛みや、のどに痰が切れにくいなどの違和感がある
  • 走ったり運動をした後は、特に息苦しい

秋の喘息を予防するためにできること

秋の喘息悪化を予防するためにできることとしては、のどの粘膜の保護・運動するときの工夫・吸入治療の継続の3つが挙げられます。

のどの粘膜の保護

炎症を起こしている気管支は、ちょっとした刺激にも反応する敏感な状態です。余計な刺激を感じて咳を出さないよう、花粉の多い公園・空き地・河川敷などへ行く場合や、風邪をひいているときはマスクを常用しましょう。また、ハウスダストやダニなどアレルゲンが室内にある可能性が高い場合は、マスクの着用とあわせて部屋の中とエアコンの掃除を徹底してください。

運動するときの工夫

喘息の方は、急激に周囲の気温や体温が変化すると症状が悪化します。気候変化の激しい秋には1日の気圧・気温差から、また自身が運動することによる急激な体温の上昇でも、喘息症状は誘発されてしまいます。秋には着脱しやすい服装でうまく体温調節したうえ、運動するときは、医師に相談のうえ体温上昇が緩やかな水泳やウォーキングを選ぶようにしてください。

吸入治療の継続

喘息症状は、継続的に吸入薬による治療を続けて、気管支の炎症を抑え粘膜を保護しておくことで悪化を予防できます。秋の喘息症状の悪化を予防するには、症状が安定している夏の間にも、医師から処方された吸入ステロイド薬などを使い続けることが効果的です。

喘息は症状が出ないように常時予防し、症状が出ないよう治療することが大切です。主治医に相談の上、夏の間から秋の喘息の悪化予防に向けて治療を続けていきましょう。

おわりに:秋の喘息悪化は、夏の間からの継続的な治療で予防できます

喘息は、炎症で腫れて敏感になった気管支が収縮して喘鳴や咳、呼吸困難などの症状を起こすようになる疾患です。気温差や気圧差、においなどに敏感に反応して症状を起こします。このため1日の寒暖差が大きく、気圧も大きく変動する秋には、特に悪化しやすいのです。ただし秋の喘息悪化は、夏の間から継続的に気管支を保護し、治療することで防げます。主治医の指示のもと、年間を通して吸入薬による治療を続けましょう。

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