記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/9/2 記事改定日: 2020/9/4
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
コクサッキーウイルスは、特に夏の時期にさまざまな感染症を引き起こすウイルスです。手足口病や心筋症の感染にも関係があると考えられています。今回はコクサッキーウイルスの感染経路や感染症の症状、予防法などをご紹介します。
コクサッキーウイルスとは、代表的な腸管系ウイルスのひとつです。A群とB群の2種類にわけられ、A群は24型、B群は6型に分けられます。
またコクサッキーウイルスなどによる手足口病は、大流行となる場合があります。
コクサッキーウイルスの潜伏期間は、その型によって潜伏期間が異なります。
感染経路は手足口病、ヘルパンギーナともに飛沫感染と経口、接触感染と考えられています。
飛沫感染では、患者さんのくしゃみや咳などに含まれるウイルスを直接吸い込むことで発症します。経口、接触感染では便の中にあるウイルスが手を介して、眼などの粘膜に入ることで起きるといわれています。
コクサッキーウイルス感染後にあらわれる症状では、病気別に主に以下のような症状がみられます。
手のひらや足の裏、足の甲、また口の中の粘膜などに水疱性の発疹があらわれ、発熱、食欲低下や喉の痛みなどがみられます。ただし水疱は1週間程度でなくなるといわれています。
また口の中にできた水疱がつぶれると、ひどい口内炎が起きることもあり、食べものや飲みものをとれなくなることもあります。
喉が赤く腫れ、38~40℃の発熱の症状がみられます。喉の奥に数個~数十個の水疱がみられます。強い喉の痛みがあり、食欲低下やよだれが多くなるなどの症状や脱水症状となることもあります。
2~4日ほどで解熱し、1週間程度で水疱は快方に向かうといわれています。
コクサッキーウイルスに感染した場合の対処法は、病気別に主に以下のような方法が挙げられます。
手足口病は、特に治療法はありません。基本的には経過観察をしながら、症状に応じた治療を行っていくといわれています。ただし、まれに脳炎や髄膜炎を引き起こすこともあるため、しっかりと経過観察をすることが重要です。
発熱が2日以上続いている、頭痛、嘔吐、呼びかけても反応しない、ぐったりとしているなどの症状がみられたら、すぐに病院を受診してください。
ヘルパンギーナも手足口病と同様に、特に治療法はありません。ヘルパンギーナは最初の3日間程度は高熱が出ますが、水分補給や解熱剤などを使用することにより、数日経てば快方に向かうといわれています。
また病院に行った場合には対症療法が中心です。脱水症状がひどく、水分を自分で摂れない場合には点滴療法を行うと考えられます。
コクサッキーウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しませんので、感染したときは症状が悪化しないように以下のことに注意しながら過ごしましょう。
手足口病やヘルパンギーナの場合、治った後も便を通してウイルスが排泄され、その期間が長いのが特徴です。まずは感染予防大切ですので、下記の対策を参考に感染予防に取り組みましょう。
手洗いを徹底すること、排泄物をきちんと処理することが大切です。特に保育園や幼稚園など乳幼児が集団生活を送る場では、子供だけでなく職員も含めて手洗いをするようにしましょう。
おむつ交換の際は、排泄物をしっかりと処理し、手洗いも忘れずに行ってください。タオルの共用、家族との食器などの共用は避けましょう。
コクサッキーウイルスに感染すると、手足口病やヘルパンギーナをはじめ、無菌性髄膜炎などさまざまな病気となる可能性があります。手洗いをしっかりする、タオルの共用は避けるなどで接触を控え、感染症を予防しましょう。