記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
さまざまな病気などが原因で、日常的にストーマを使用している人もいます。この記事では、ストーマの特徴や種類を中心にご紹介します。
ストーマとは、手術によってお腹に新たにつくられた、尿や便を排泄するための出口です。特別な機械を使って排尿や排便を行うのではなく、自分の尿管や腸を体外へ露出させて排泄物を管理します。
ストーマは粘膜でできているため、赤い色をしています。神経が通っていないため、触っても痛みを感じることはありません。また、常に腸液や粘液が分泌され、乾くこともないのも特徴です。そして、ストーマの内側から外側へ常に圧力がかかっているため、入浴時にストーマからお湯が入る心配もないといわれています。
ストーマには、主に「消化管ストーマ」と「尿路ストーマ」の2つがあります。
消化管ストーマは、後に閉鎖する「一時的ストーマ」と、造設されたままの「永久的ストーマ」の2種類があります。
また、小腸に造設されるものを回腸ストーマ(イレオストミー)と言います。回腸ストーマは、肛門を切除した場合には永久的ストーマとなりますが、大腸を全摘しても肛門を切除せずに済み、小腸で造った袋を肛門に縫う手術をした場合には一時的ストーマになります。ただし、数カ月後に閉鎖するための手術が必要です。
一方、大腸につくられるものは結腸ストーマ(コロストミー)といい、上行結腸ストーマ、横行結腸ストーマ、下行結腸ストーマ、S状結腸ストーマなどがあります。また開口数によって、1つの場合を単孔式ストーマ、2つの場合を双孔式ストーマということもあります。双孔式ストーマの場合には、ループ式ストーマ(係蹄式)と分離式ストーマにわけられ、分離式ストーマはさらに開口部が離れている完全分離式ストーマ、開口部などがくっついている二連銃式ストーマなどにわけられます。
尿路ストーマは、「尿管皮膚瘻」と「回腸導管」に分けられます。前者は腹部に尿管を誘導して造られ、後者は尿管に回腸の一部をつないで腹部に回腸の一部を誘導して造られます。そのほか、下腹部から膀胱へカテーテルを挿して尿を排出させる膀胱瘻、カテーテルを腎盂に挿して尿を排出させる腎瘻などがあります。このようなストーマは尿が常に排出されるため、採尿袋を常に身につけていなければなりません。
ストーマが必要となるのは、大腸がんや直腸がん、潰瘍性大腸炎やクローン病などを発症したときです。また小腸がんや子宮がん、結腸がんや膀胱がんなどのがんや、胃がんの再発、放射性腸炎などが挙げられます。また大腸ポリープや腸管ベーチェット、巨大結腸症などの消化器系の病気もストーマが必要となることがあります。また婦人科系では、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍など、脊髄腫瘍や神経腫瘍などの神経系の病気、他にも平滑筋肉腫や敗血症性ショックなどさまざまな病気によって必要となることがあります。
ストーマにはさまざまな種類があり、新たに機械などをつけずに尿や便を排出することができます。ストーマが必要となった場合には、主治医と相談して日常生活を送るようにしましょう。