その植物、本当に山菜ですか?― 有毒植物に気をつけよう!

2019/9/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

山菜は日本の春や秋の食卓を彩る、季節の味覚です。
時期になると近隣の野山で山菜採りを楽しむ人も多いですが、野生の植物の採取・摂取には、食中毒の危険もつきまといます。
今回は食中毒を引き起こす野生の有毒植物について、食べられる山菜との見分け方のポイントと一緒にご紹介します。

その植物、本当に食べても大丈夫?

植物のなかには、食料としての価値がなく、キノコと同じく毒を持っているものがあります。このように、毒性が強く、触れたり食べることで皮膚炎や麻痺、けいれん、嘔吐、窒息などの中毒症状を引き起こす植物のことを有毒植物と言います。

有毒植物は、野山や家庭菜園、畑などにも食べられる山菜や野菜・観葉植物などに混じって自生しています。このため、有害植物の誤食による事故も毎年のように頻発しています。厚生労働省の報告によると、平成20~29年の10年間で有害植物を食べたことによる事故で818人の食中毒患者が発生し、そのうち死亡者は10人にものぼっています。季節や地域を問わず、有害植物の誤食による事故被害は発生し続けているのです。

山菜と間違えやすい有毒植物は?

野生の有毒植物のうち、特に食用の山菜と間違われやすい種類として以下のようなものがあります。

イヌサフラン
葉はギョウジャニンニクやギボウシと、球根部分はジャガイモやタマネギ、ニンニクと勘違いしやすい有害植物。
食べると嘔吐や下痢などの消化器症状のほか、皮膚の近く減退や呼吸困難などの中毒症状が生じる。また症状が重症化したことによる、死亡例も報告されている
スイセン、およびスノーフレーク
ニラやノビル、タマネギなどと勘違いしやすい有害植物。
食べると30分ほどで吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状をはじめ、頭痛や発汗、唾液の分泌、低体温、昏睡などの中毒症状が現れる
トリカブト
ニリンソウやモミジガサなどと勘違いしやすい有害植物。
食べると10~20分ほどで唇・舌・手足のしびれを感じ、嘔吐や腹痛・下痢などの消化器症状、血圧低下、不整脈、けいれんが起こり、呼吸困難に陥り死亡することもある
ヒメザゼンソウ
オオバギボウシ(ウルイ)などと勘違いしやすい有害植物。
食べるとすぐに唇や口の中にしびれを感じ、次いで胃痛などの中毒症状を引き起こす

山菜か有毒植物かがわかれば食べても大丈夫?

食べられる山菜と有害植物を見分けるために、絶対に遵守すべきルールは以下の3つです。

  • 食べられるかどうかハッキリ判断できない山菜は食べない
  • 山菜と有害植物の見分け方は、専門家の指導で正しく習得する
  • 山菜を採るときは、他の植物が混入しないようしっかり確認する

山菜と有害植物をよく観察すると、葉の付き方や根の形状、ニオイなどに違いがあります。以下に、山菜と間違えやすい有毒植物の見分け方のポイントを簡単にご紹介します。

葉の付き方を見る
  • 山菜のニリンソウは、茎のある一部分からのみ葉が出てきている
  • 有毒植物のトリカブトは、葉が交互についている
根のかたちを見る
  • 山菜のニリンソウの根は、棒状の太い根から細かい根が生えている
  • 有害植物のトリカブトの根は、円錐形になっていて全体的に短い
においを確認する
  • 山菜のノビルには、独特のニラ臭が感じられる
  • 有害植物のスイセンには、ニラ臭は感じられない

ただ、上記の見極めのポイントを知っていても山菜と有害植物を見分けるのは至難の業です。山菜と有害植物を正確に区別するには、熟練した技術が必要です。好奇心から、安易な気持ちで野生植物を食べることは絶対にやめましょう

おわりに:山菜と有害植物の見極めるのはとても難しい。基本的には食べないほうが安心です

野生の植物には、食用には向かず食べると中毒症状を引き起こす有害植物があります。中には一般的に食べられている山菜に酷似しているものもあり、毎年、山菜と間違えて有害植物を食べてしまう事故が後を絶ちません。山菜と有害植物をよく観察すると、葉の付き方や根の形状、ニオイなどに違いから見分けることも可能になります。しかし正しく見分けるには長年の経験必要ですので、安易には野生植物を食べないようにしてください。

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