イレウスの症状・原因・治療法を解説!

2020/7/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

イレウスとは、腸管が詰まってお腹の張りや痛みといった症状がみられる病気のことです。この記事では、イレウスの原因や症状、治療法について解説します。

イレウスってどんな病気?

イレウスは、何らかの原因で腸が閉塞した結果、食べ物や消化液、ガスなどの流れが滞ってしまう病気です。大きく分けると機械的イレウスと機能的イレウスの2種類があります。

機械的イレウスは、腸が物理的に閉塞している状態を指し、血行障害を伴わない単純性イレウスと、血行障害を伴い重篤化することがある複雑性イレウスに分類できます。機能的イレウスは、麻痺(まひ)性のものとけいれん性のものがありますが、麻痺性のほうが起こりやすいとされています。

イレウスは、もともと腸閉塞と同列に扱われてきましたが、最近は腸閉塞とイレウスを別に扱う流れもみられます。急性腹症診療ガイドライン2015では、腸閉塞は腸管の閉塞を指し、イレウスと呼ぶときは腸管の麻痺が起きているときのみと定義されています。

イレウスになると出てくる症状は?

イレウスが起こると、食べ物だけでなく、ガスや消化液など腸内の内容物が排泄できなくなる状態になります。このときお腹が張るような不快感や痛み、吐き気やおう吐といった症状がみられます。

また、腸がねじれたり締め付けられているため、腸に血液が届かず腸の組織が壊死してしまうことがあります。腸管に穴が開いたり、全身に細菌が運ばれて敗血症や多臓器不全といった重篤な症状となってしまうこともあります。

イレウスの発症原因として考えられることは?

単純性イレウスは、食べ物や異物、ガスなどが腸の中が詰まってしまうことで起こります。最も多い原因はおなかの手術を受けた後の癒着です。

癒着とは、組織と組織がくっついてしまう状態です。腹部の手術を行ったあと、腸が周囲の臓器と癒着したり、腸の正常な部位と傷口が癒着したりすることでイレウスが起こると考えられます。また、生まれつき腸の形状に異常がある人や、腸内もしくはほかの臓器の腫瘍によって圧迫されて起こることもあります。

また、複雑性イレウスは血行障害を伴います。こちらは腸のねじれや、腸の締め付け、結び目ができるといったことが原因となります。腸への血流が障害されて壊死すると、腸に穴が開いたり、多臓器不全が起きたりといった、重篤な状態になることがあります。

一方、機能性イレウスは腸の形状の異常ではなく、けいれんや麻痺によって、腸の動きが悪くなってしまうことで起こります。腸炎や腹膜炎といった炎症が起きた後や、手術後の影響で動きが悪くなってしまったり、けいれんによって正常な動きができなくなってしまうことで、腸の内容物が送れなくなってしまうなどがあります。また、腹部手術後に起こることが多く、手術の内容によっては内蔵を直接触られることによって、腸の動きに影響があるからだといわれています。また、副作用として、麻痺性イレウスがあらわれる薬もあります。

症状を改善するには?

イレウスの治療法として、保存的治療と外科的な治療があります。

保存的治療

手術は行わない治療方法です。腸管を休めるために絶飲食をして、足りない水分は点滴で補います。また、イレウス管という細い管を腸管に入れることで、腸管の中の詰まりを解消して内容物を排出して膨満感を解消します。イレウス管は、レントゲン撮影をしながら鼻から挿入していきます。薬の副作用で生じているという場合は、原因となる薬の服用を停止することも必要でしょう。

外科的治療

手術によって癒着を外したり、腸のねじれを戻したり、腸を締めているような、細くヒモ状になっている部分を切除します。また、イレウスの原因が腫瘍である場合は、腫瘍の切除を行います。切除した腸管の範囲や、状態によっては、人工肛門を設置することもあります。

おわりに:イレウスは腸の形や動きが原因で起こり、手術が必要になることもある

イレウスは、何らかの原因で腸内の内容物が流れなくなる状態をいいます。血行障害が起こるタイプでは、全身状態に影響を与え、重篤化してしまうものもあります。大きくわけると、腸管の形状に異常がある機械的イレウスと、動きに異常がある機能的イレウスがあります。機械的イレウスでは癒着性、機能的イレウスではまひ性のものが多く起こります。治療は絶飲食や点滴などで手術を行わない保存的治療と、手術によって直接腸管の処置を行う外科的な治療があります。

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