記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/9/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
うがい薬と言えば、独特の薬品の匂いを想像する人も多いでしょう。おそらく、多くの人が想像するうがい薬は「ポピドンヨード」という殺菌・消毒成分を使っているものですが、うがい薬にはその他の殺菌・消毒成分を使っているものもあります。
うがい薬にはどんな種類があるのでしょうか?また、選び方や使い方のポイントは、どんなことに気をつければ良いのでしょうか?
のどは、鼻や口から呼吸によって入ってきた空気が最初に通る通路(気管)です。そのため、ウイルスや細菌がもっともよく侵入してくる入り口となりやすく、外出から帰った後にはすぐにうがいで洗浄するとウイルスや細菌がその奥まで侵入しにくいため、風邪や感染症の予防に役立ちます。また、風邪を引いているときやのどに炎症があるときも、免疫力が落ちているためさらなる強力な感染症にかからないように、こまめにうがいすることが大切です。
うがいは水やぬるま湯、食塩水などを使っても良いのですが、市販されているうがい薬を使うと殺菌や消毒の効果がより強くなるため、水やぬるま湯よりもさらなる風邪や感染症の予防効果が期待できます。昨今はセルフメディケーションが推奨されていますが、うがいなどはまさにセルフメディケーションの一環です。ぜひ、自分の状態に合ったうがい薬を使いましょう。
市販のうがい薬は、もちろん殺菌・消毒成分がメインですが、その成分にいくつか種類があります。有名なものはポビドンヨードで、濃い茶色の液体を水で薄めて使います。ヨード特有の匂いと色がありますので、うがい薬というとこの臭いと色を思い出す人も多いでしょう。多く使われているだけあり、殺菌・消毒効果には定評があります。
他には、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジンなどの殺菌・消毒成分を使っているものがあります。アズレンスルホン酸ナトリウムを使っているものは、殺菌・消毒効果は比較的弱めですが、もともと天然系の色素であることやかすかな甘味があることから、のどを爽やかに洗浄してくれます。
うがい薬は、症状に合わせて選ぶのがポイントです。「ポビドンヨード」「塩化ベンゼトニウム」「クロルヘキシジン」などを含むものは、殺菌・消毒効果が高いため、歯の炎症やのどの殺菌・消毒に適します。つまり、風邪や感染症予防のため、のどに留まっている細菌やウイルスを殺菌したい場合はこれらの成分が含まれているものを使うと良いでしょう。
逆に、口中やのどに炎症があり、炎症を抑えたい場合には「アズレンスルホン酸ナトリウム」を含むものがおすすめです。潤いをもたらし、爽やかに洗浄する効果も期待できます。
これらのことから、もともと炎症などがない人が風邪・感染症予防に毎日使う場合、ポビドンヨードなどの殺菌・消毒成分を含むうがい薬を使うのが良いでしょう。
うがい薬は、原液を薄めて使います。薄め方はそれぞれ以下のようになっていますが、製品によっては薄め方が異なる場合もあります。取扱説明書に従って薄めましょう。
うがい薬の準備ができたら、以下の手順でうがいを行います。
口内の炎症や手術後などで医師の指示がある場合はそれに従いますが、特に指示がない場合は1日3~4回うがいをすると良いでしょう。主に帰宅したとき、飲食後、のどに不快感があるときなどに行います。
ポビドンヨードの含まれるうがい薬を使ったとき、人によっては口の中やのどの刺激感、荒れ、悪心などの症状が出ることがあります。このような症状が見られたら、すぐに使うのをやめ、医師に相談しましょう。また、使うときは以下のようなことに注意して使いましょう。
一般的に広く知られているうがい薬は「ポビドンヨード」で、風邪や感染症などを予防するために殺菌・消毒がメインの効能となっています。これに対し、殺菌・消毒成分は弱めなものの、抗炎症作用があるのが「アズレンスルホン酸ナトリウム」です。
つまり、予防には「ポビドンヨード」、既に起きている炎症には「アズレンスルホン酸ナトリウム」と使い分けるのが良いでしょう。ぜひ、自分の状態に合わせてうがい薬を選びましょう。