記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/10/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの体や髪をはじめ、お皿や住居、洗濯物など、さまざまなところをきれいにするために使われる石鹸には複数の種類があります。
この記事では、石鹸のうち「逆性石鹸」と呼ばれるものの特徴について、普通の石鹸の違いと使用上のメリットを中心にご紹介していきます。
普通の石鹸とは逆の性質を持っている石鹸のことを逆性石鹸と言います。
逆性石鹸は、物理的な汚れを除去する作用は期待できないものの、一般的な石鹸とは真逆の性質から、目に見えない細菌・カビを除去できる石鹸のことです。具体例として、医療現場で器具の消毒などに使われる塩化ベンザルコニウム、トローチ、うがい薬などが挙げられます。
逆性石鹸を使うことで、対象物を殺菌・消毒し、感染症やカビの繁殖リスク、ニオイを抑えるメリットが期待できます。このため、逆性石鹸は医療現場だけでなく、一般家庭の以下のようなシーンで使うことができます。
家庭で逆性石鹸を使用する場合、用途にあわせて希釈の濃度や使い方を変える必要があります。以下に、先述した一般家庭で逆性石鹸が活躍する5つのシーン別に適切な使用方法をご紹介します。
製品によっても異なりますが、およそ200~500倍に希釈した逆性石鹸に消毒したいものを5分ほどつけ置きにして消毒します。
つけ置き後は自然乾燥させるだけでOKですが、食器など直接口に入れるものの場合は水洗いをしてください。なおつけ置きが難しいもの(家の床・家具・手すりなど)を消毒したいときは、同じ濃度に希釈した逆性石鹸を含ませた布で拭くか、噴霧しましょう。
200~1000倍程度に希釈した逆性石鹸水に、つけ置きすることで洗濯物を消毒できます。ただし、一般的な洗濯洗剤と逆性石鹸を一緒に使ってしまうと、互いに効果を打ち消し合ってしまいます。洗濯物に逆性石鹸を使いたい場合は、まず一般的な洗剤で物理的な汚れを落とし、すすぎまで終わらせてから逆性石鹸を使用してください。
まずは表面のカビを水拭きで除去して乾かし、200~500倍に希釈した逆性石鹸を含ませた布で拭き取る、噴霧する、つけ置きするのいずれかの方法で消毒しましょう。
なお、ふき取り掃除後には、カビの胞子が飛び散っている可能性の高い周辺にもしっかり希釈した逆性石鹸を噴霧し、乾かしておくとより効果的です。
ゴミや食べ物などを取り除いたうえで、100~200倍に希釈した逆性石鹸を噴霧します。噴霧だけでは効果が実感できない場合は、においのもととなっている部分を逆性石鹸を含ませた布で拭きとるか、こまめに噴霧することで消臭効果を高めることができます。
まずは一般的な石鹸を使って手洗いしたあと、逆性石鹸で手を洗いましょう。
逆性石鹸は、用途によって適切な希釈濃度が決まっています。
原液のまま逆性石鹸を使うと、皮膚の炎症や消毒物の変質をきたす恐れがあります。必ず用途にあった濃度の薄めてから使うとともに、希釈するときにも原液に直接触れないよう、手袋を着けるようにしましょう。
一般的な石鹸が目に見える汚れを浮かし落とす作用を持つのに対し、目に見えない細菌やカビに作用し、落とす効果があるのが逆性石鹸です。一般的な石鹸とはほぼ真逆の性質を持つことから「逆性石鹸」と呼ばれ、医療現場をはじめ一般家庭でも消毒・掃除用洗剤として用いられています。ただし使用にあたっては、市販されている原液から用途にあった濃度に希釈する必要があります。