記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/11/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
湿度は空気中に含まれる水分量を表す指標で、気温とあわせて頻繁に観測され、私たちの健康状態にも大きく影響を及ぼしています。そこで今回は、私たちの健康に適した湿度を管理することの重要性とその根拠を、健康維持のために具体的に目指すべき湿度の目安とあわせてご紹介します。
極端に空気が乾燥した湿度不足の状態は、私たち人間の健康状態に以下のようなリスクをもたらします。
一般的に「乾燥」と聞くと肌や髪など美容面への影響だけをイメージしがちですが、私たちの健康面にも、多大なリスクをもたらす可能性があります。
湿度不足の環境下で風邪などの感染症にかかりやすくなるのは、感染症を引き起こす細菌・ウイルス側、そして私たち人間側の免疫機能の両方の特徴によるものです。
まず風邪などの感染症を引き起こす細菌・ウイルスの多くは、比較的乾燥した環境に強く、さらに乾燥が進むにつれ空気中を浮遊しやすくなる特徴を持っています。一方、人間の免疫機能は、外敵から身を守る第一の壁であるのどと鼻の粘膜が乾燥に弱く、機能低下しやすくなります。
つまり、湿度不足の環境下では、風邪やインフルエンザの原因菌・ウイルスは活性化し、私たちの弱ったのどや鼻の粘膜から侵入しやすい状況になる、というわけです。十分な湿度が保たれている場合に比べ、湿度不足の環境下で風邪やインフルエンザにかかりやすいといわれるのはこのためです。
湿度不足に陥りやすい季節に感染症を予防し、人間が美容面・健康面の両方を良い状態に保つのに適した湿度は40~60%といわれています。加湿器を用い、部屋の湿度を適切な数値に保つようにして、健康維持をめざしましょう。
また加湿に合わせ、1時間に2~3回を目安に窓を開けて換気し、外から持ち込まれ室内に滞留する細菌やウイルスを追い出すのも効果的です。加湿と換気、あわせて実践して湿度不足と感染症を予防してください。
私たち人間にとって、空気が極度に乾燥した湿度不足の状態は美容面・健康面の両方において重大なリスクをもたらします。通常、私たちの体はのどや鼻の粘膜で外敵の侵入を阻み、体を感染症から防御しています。しかし乾燥するとのど・鼻の免疫機能が弱り、かつ細菌やウイルスが活発になるため、感染症にかかり健康を害するリスクが増大してしまうのです。健康のために人体にとって適切な湿度40~60%を維持し、湿度不足を予防しましょう。