市販の頭痛薬ってどんな成分でできているの?

2019/10/5

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

突然の頭痛に見舞われたとき、とりあえず痛みを抑える目的で、市販の頭痛薬を服用している人は多いと思います。今回は日常的に使うからこそ知っておきたい、市販の頭痛薬の種類や成分について、効果的な飲み方や薬の選び方とあわせて解説していきます。

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市販の頭痛薬の成分って?

市販の頭痛薬に含まれていることの多い成分として、以下が挙げられます。

  • イブプロフェン
  • アスピリン(アセチルサリチル酸)
  • その他(ロキソプロフェンナトリウム水和物、エテンザミドなど)

上記はいずれもNSAIDsとも呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬に分類される成分で、頭痛の原因となっているプロスタグランジンという物質の生成を抑えてくれます。また、NSAIDsに分類される成分以外にも、抗炎症作用をほとんど持たないものの、中枢神経に作用して頭痛を抑えるアセトアミノフェンも市販の頭痛薬に使用されています。

市販の頭痛薬にはどんな種類があるの?

市販の頭痛薬には、効果の現れ方や体への負担の程度により、それぞれ特徴があります。以下に、一般的によく知られている市販の頭痛薬8種類について特徴をご紹介します。

バファリン®
頭痛薬としての鎮痛効果は中程度。アスピリンが配合されていて胃への負担がある。ただし「ピリン」系の薬剤にアレルギーがあっても服用可能。
バイエルアスピリン®
頭痛薬としての鎮痛効果は中程度。アスピリンが配合されているため、胃に負担がかかりやすい。
ノーシン®
頭痛薬としての鎮痛作用は少し強め。エテンザミドを主成分としているが、胃への負担を軽減する成分も配合されており、体への負担は少なめ。
セデス・ハイ®
頭痛薬としての鎮痛作用は少し強め。イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェンを主成分とする。比較的強い薬効成分を含むため、体への負担は中程度。
タイレノール®
頭痛薬としての鎮痛作用は強め。アセトアミノフェンを主成分とし、胃への負担や副作用が少ないため体への負担は効き目の割には低い。空腹時でも服用可能。
イブクイック®
頭痛薬としての鎮痛作用は強め。イブプロフェンを主成分とし、胃への負担が強いため荒田への負担は少し大きい。必ず食後に服用すべきとされる。
セミドン®顆粒
頭痛薬としての鎮痛作用は強め。イソプロピルアンチピリンを主成分とし、強い作用が期待できる分身体への負担は少し大きめ。過去に市販の風邪薬などでアレルギー反応が出た人は、服用に注意が必要。
ロキソニン®S
ここまで紹介してきた市販薬のなかで、最も強い鎮痛作用を持つ頭痛薬。第一類医薬品に分類される。ロキソプロフェンナトリウムを主成分とし、効き目と同じくらい胃への負担も大きい。

市販の頭痛薬を選ぶポイントは?

市販の頭痛薬は、鎮痛作用と体への負担の程度のバランスを見て選ぶのがおすすめです。鎮痛作用の強い頭痛薬ほど、体への負担も大きくなる傾向がありますが、体への負担を考えてあまり鎮痛作用の弱い頭痛薬を選択すると、効き目が不十分で痛みが痛みを呼び症状が悪化することもあります。

痛みが強く、とにかく頭痛症状を抑えたい場合は、効き目重視で選ぶのがおすすめです。もし市販の頭痛薬選びで迷ったら、痛みを誘発するプロスタグランジンへの作用が強めで、なおかつ胃や体への負担が軽減される工夫されているものを選ぶと良いでしょう。

市販の頭痛薬の効果を得るためにできることは?

市販の頭痛薬で十分な効果を得るには、用法・用量を守ったうえで、痛みが出たら我慢せずに早めに服用することです。頭痛を誘発する物質プロスタグランジンは、時間が経つごとに生成されていきます。

このため、薬を飲むのをためらって痛みを我慢していると、プロスタグランジンの生成量が増えて痛みが増し、痛みに敏感になって薬が効きにくい状態になる可能性があります。このような悪循環に陥る前に、使用上の注意を守って早めに市販の頭痛薬を飲むことが、症状の改善と市販薬の効果を得るのに効果的です。

おわりに:市販の頭痛薬は抗炎症・解熱・鎮痛作用のある成分からできている

ドラッグストアなどで買える市販の頭痛薬は、主に抗炎症・解熱・鎮痛作用のある成分をもとに作られています。どの程度の効き目や副作用、体への負担があるかは成分によって大きく異なりますが、一般的には薬効が強いほど体への負担も大きくなる傾向があります。市販の頭痛薬を購入するときは、痛みへの効き目と体への負担のバランスで選ぶと良いでしょう。自分で選ぶのが難しい場合は、薬剤師や登録販売者に相談して、症状に合う薬を選んでもらいましょう。

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