記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/11/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
花粉症は、発症するかしないかにも、そして発症のレベルにも個人差が大きいアレルギー反応です。ひどい人では日常生活や学業・仕事に支障をきたすほどの症状が出ることもあり、薬で症状を抑えている人も多いです。
ザイザル®︎は、そんな花粉症の症状を抑えるための薬です。この記事では、ザイザル®︎にはどんな特徴があるのか、副作用としてどんなものが考えられるかをご紹介します。
ザイザル®︎は、花粉症だけでなく、さまざまなアレルギー症状を抑えるための抗ヒスタミン薬です。アレルギーの発症には、ヒスタミンという体内物質が関わっています。アレルギーの原因物質(アレルゲン)が入ってくると免疫系からヒスタミンが放出され、神経細胞(受容体)に結合し、その刺激でアレルギー反応が現れます。ザイザル®︎はこのヒスタミンの受容体をブロックし、ヒスタミンの働きを抑えてアレルギー症状を緩和します。
そのため、花粉症をはじめとした季節性アレルギー性鼻炎はもちろん、ダニやハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎、じんましん、湿疹のかゆみなどに効果を発揮します。とはいえ、対症療法薬ですから、アレルギー反応が起こる原因そのものを治療することはできません。つまり、薬を飲むのをやめてしまうとアレルギーが出る状態に戻ってしまいます。
ザイザル®︎は、抗アレルギー薬に分類される第2世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)です。第2世代の特徴として、ヒスタミン受容体に対する選択性(ターゲットだけに効果を発揮する力)が高く、抗コリン作用など、必要のない作用がぐっと弱められているというものがあります。
この選択性により、第1世代の抗ヒスタミン薬に多かった「口の渇き・排尿障害」などの副作用はほとんどみられなくなりました。また、脂溶性が低いことから脳に入りにくく、眠気の副作用もやや軽減されています。このように使いやすくなったことで、アレルギー性疾患に幅広く使われるようになりました。
同じ第2世代の抗ヒスタミン薬として広く使われていたセチリジン(ジルテック)と似た構造を持っていますが、ヒスタミン受容体により強く結合するため、セチリジンの半量で同等の効果が得られることから、セチリジンの代わりに処方されることが増えてきました。
比較的速効性があり、持続時間も長く、そうした意味でも使いやすい薬です。服用するとまもなく効果が現れ、とくにくしゃみや鼻水に対する効果が高いです。鼻詰まり・目のかゆみにもそこそこ効果を発揮します。アトピー性皮膚炎に対しても、アレルギー反応としてのかゆみを軽減するために処方されます。
ザイザル®︎の副作用は少ない方ですが、人によっては翌朝に眠気や倦怠感が残ることがあります。危険な副作用ではありませんので、軽いものであればとくに心配はいりませんが、眠気や倦怠感がひどいようであれば、早めに医師に相談しましょう。
重い副作用が出ることはまずありませんが、花粉症やアトピー性皮膚炎などで服用期間が長くなるときは、定期的に肝機能の検査を受けましょう。また、万が一「ひどい倦怠感・吐き気・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)」などの症状が現れることがあれば、すぐに医師に相談してください。
その他、めったにないものの、重い副作用として考えられているものに以下のような症状があります。
その他、服用中には以下のことに注意しましょう。
ザイザル®︎は、花粉症だけでなくさまざまなアレルギー症状を抑えることができる第2世代の抗ヒスタミン薬です。第1世代と比べ、ヒスタミン受容体を狙って作用する選択性が強くなったため、口の渇きや排尿障害などの副作用が弱くなりました。
副作用としては、軽い眠気やだるさなどが現れることがありますが、重い副作用はほとんどありません。ただし、長期にわたって飲み続ける場合は、定期的に肝機能の検査を受けましょう。