ムコスタ®には胃薬と目薬があるの?使用上の注意点や副作用は?

2019/10/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

胃粘膜を丈夫にし、胃の炎症・潰瘍を治療する代表的な薬として「ムコスタ®」ですが、目薬もあるのをご存知でしょうか。今回は胃薬・目薬として使われているムコスタ®の成分や作用・副作用と、ムコスタ®を使用するうえで知っておくべき注意点などを、まとめて解説します。

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ムコスタ®ってどんな薬?

ムコスタ®は、レパミピドを主成分とした薬の名前です。胃薬と目薬があり、それぞれ以下のような特徴を持っています。

胃薬の特徴
  • 服用することで、胃の粘膜を丈夫にする作用を発揮する
  • 胃粘膜の胃酸に対する抵抗力を高め、胃炎や胃潰瘍の治りを早くする
  • 鎮痛薬など、胃が荒れやすい薬と一緒に処方されることも多い
目薬の特徴
  • 点眼することで角膜に作用し、涙の粘液成分を増やして涙の質を改善する
  • 眼球乾燥症候群、いわゆるドライアイとこれに伴う諸症状を改善する
  • ドライアイ以外では、シェーグレン症候群の治療にも使われている

ムコスタ®は胃壁や眼球を守るための粘液の産出を助け、炎症や乾燥などの症状を改善する効果のある薬といえます。

ムコスタ®を使用するときの注意点は?

以下に、胃薬、または目薬タイプのムコスタ®を使用する場合の注意点をご紹介します。

胃薬の注意点
  • 何らかの持病がある場合は、あらかじめ医師に報告・相談のうえ処方を受ける
  • 1日3回を基準に、医師の指示通りの回数や飲み合わせで服用する
目薬の注意点
  • コンタクトレンズの使用、過去の薬剤アレルギーの有無を医師に必ず申告する
  • 普段使っている薬、目薬があるなら、必ず医師にその目的や種類を伝える
  • 保管時は、沈殿物が点眼口に溜まらないよう、必ず点眼口を上向きにしておく
  • 点眼前に容器を軽くはじいて薬剤を分散させ、1滴点眼したら1~5分くらい目を閉じる
  • 他の点眼薬と併用可だが、他の点眼薬の使用から5分以上空けて使用する
  • コンタクトをつけたまま点眼しても良いが、違和感があればすぐ医師に相談する
  • 点眼時に容器が目に触れないよう気を付け、目からあふれ出た薬剤は拭き取ること
  • 点眼直後は視界がかすむことがあるので、車の運転や機械の操作には十分注意する

どちらを使用する場合も、必ず医師・薬剤師から指示された用法と用量を守って、適切に使用しましょう。

ムコスタ®で副作用が起こることはある?

胃薬、または目薬タイプのムコスタ®の使用にあたっては、それぞれ以下のような副作用を生じる恐れがあります。過去に薬の副作用が出たことがあるなど、気になる方は事前に医師・薬剤師に確認しましょう。

胃薬の副作用
  • 安全性が高く、軽度・重度の副作用ともにほとんど起こらない
  • 軽い副作用として、皮膚の発疹やかゆみが現れる可能性がある
  • 重い副作用として、血液成分に異常が起こることによる発熱や口内の炎症・倦怠感・出血、肝臓症状による倦怠感・食欲不振・吐き気・発疹・黄疸などがある
  • そのほか、アナフィラキシー様のアレルギー症状を起こす人もみられる
目薬の副作用
  • 薬剤成分が鼻や涙の管を通ることで、苦みや味覚に異常を感じる
  • 一時的な目のかすみや視界の白濁、目がしみる、傷むといった刺激を感じる
  • 胃部不快感、吐き気、食欲不振などの消化器症状
  • 目のかゆみ、充血
  • 重篤な場合、まれに涙道の閉塞、涙嚢(るいのう)炎、涙が止まらない、涙目、目やに、目や鼻の奥に違和感が生じることもある

おわりに:ムコスタ®には胃薬と目薬があり、使用上の注意点や副作用は異なる

粘膜や体液を補う作用のあるムコスタ®には、服用して胃粘膜を保護する作用のある胃薬タイプと、点眼してドライアイなどを治療する目薬タイプがあります。どちらもレパミピドを主成分としますが、薬としての作用・副作用・使用上の注意点は、胃薬タイプと目薬タイプで大きく異なります。どちらの薬も、医師・薬剤師による使用上の注意を良く聞き、用法・用量を守って使用することが大切です。

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