記事監修医師
工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来
工藤 孝文 先生
古くからの日本のおかずで、近年はスーパーフードとしても注目される「納豆」。
毎日食べている人も多いと思いますが、食べ方によっては「納豆パワー」を十分取り込めなくなる可能性があります。
今回は、納豆のパワーを引き出すコツをお伝えします。
私たちが健康を維持するには、下記の「5大栄養素」が必要不可欠です。
納豆は、これら5大栄養素が全て含まれた食品です。さらに、第6の栄養素ともいわれる「食物繊維」(炭水化物に含まれる多糖の一種で、消化酵素では分解できない成分。腸内環境を整え、消化・吸収をサポートする)も豊富に含まれています。
その他にも、納豆には以下のような大切な成分も含まれています。
「納豆は温かいご飯と一緒に食べる」という人のほうが多いと思いますが、先ほど紹介した「ナットウキナーゼ」は熱に弱いです。
50℃以上になると活性が弱くなり、特に70℃以上になると活動が止まってしまいます。
血液をサラサラにする「ナットウキナーゼ」の作用を十分に取り入れるためには、納豆はご飯を少し冷ましてからかけましょう。もちろん、納豆の加熱調理はオススメしません。
朝食で、卵といっしょに納豆もご飯にかける「卵+納豆かけご飯」を食べる人もいると思います。
卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素を全て含み、体で作ることのできない必須アミノ酸も摂取できることから「完全栄養食」とも呼ばれています。
食物繊維を豊富に含んだ納豆も組み合わせて食べることで、栄養のバランスをとりやすくなります。
ただし、先ほど紹介した納豆に含まれる「ビオチン」は、卵白に含まれる「アビジン」と結合すると、吸収を妨げられてしまいます。
卵と納豆をいっしょに食べるときは、以下のような工夫をしましょう。
「納豆は絶対熱々のご飯にかけて食べる」という人や「卵かけご飯は納豆もいっしょに入れちゃう」という人は、ナットウキナーゼやビオチンの効果を十分に体に取り込めていない可能性があります。
少しめんどうかもしれませんが、せっかくの納豆パワーを引き出すためにも食べるときは「ちょっとした手間」をかけてあげましょう。
※この記事は工藤孝文先生の著書「疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える – (美人開花シリーズ)」を一部編集し、工藤先生の監修のもと発表しています。