赤ちゃんが下痢に…。病院へ連れていくべき?ケアのポイントは?

2019/11/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

消化機能が未熟な赤ちゃんは、大人に比べ頻繁に下痢を起こします。下痢をしていれば心配ですし、病院に連れて行くべきなのか悩みますよね。今回は赤ちゃんが下痢を起こす原因と、病院で診てもらうべき心配な下痢の特徴、家でできるケアのことまで、参考になる情報をまとめてご紹介します。

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赤ちゃんが下痢をする原因は?

消化機能が未熟な赤ちゃんは、普段よりも水分や離乳食を多めにとっただけで下痢になることがあります。このため、うんちが以下に当てはまる状態で、かつ本人の機嫌がよく、下痢以外に気になる症状がみられないなら、単一症候性下痢と呼ばれるごく一般的な下痢と考えられます。

特に心配のいらない、赤ちゃんの下痢症状の特徴
  • 普段のうんちと色やにおいが変わらず、柔らかくなっただけの状態
  • 緑色、または下痢の粘液につぶつぶした物体が混じっている

ただし、下痢以外の症状が見られる場合は、感染症やアレルギーが原因で起こる下痢の可能性があります。以下に、心配すべき赤ちゃんの下痢症状の特徴と原因を紹介します。

心配すべき、赤ちゃんの下痢症状の特徴と原因

下痢以外に嘔吐や発熱、白っぽい水様便、血便、脱水症状、けいれんなどの症状が見られる場合は、以下いずれかが原因のウイルス・細菌性胃腸炎の可能性があります。

赤ちゃんに胃腸炎を引き起こすウイルス・細菌の例
ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、腸管出血性大腸菌  など

また、下痢のほかに唇や口内の赤みやかゆみ、腫れ、じんましん、嘔吐、呼吸の異常や肌荒れがみられるようなら、食物アレルギーが疑われます。既に離乳食を食べている場合は食べものに対するアレルギー反応が、まだミルクだけの場合は乳糖をうまく分解できない乳糖不耐性下痢だと考えられます。

病院へ連れて行ったほうがいい目安は?

下痢をしている赤ちゃんを病院に連れて行くべきかどうかは、下痢とその他の症状の程度を目安に判断できます。まず、以下の条件に当てはまる場合は特に心配ないので、すぐに病院に連れて行かなくても大丈夫です。

病院に行かなくても良い、心配ない下痢の条件
  • うんちが柔らかくなり回数も増えているが、本人が元気で機嫌が良い
  • 下痢をしているものの食欲があり、水分も食事も摂れて体重が順調に増えている

一方、以下の条件に当てはまる場合は、うんちや嘔吐の回数と量を記録・観察し、体温や全身症状の有無も確認のうえ、病院に連れて行ってください。

病院に行った方が良い、心配な下痢の条件
  • 本人に元気がなく、ずっとぐずっていて顔色も悪い
  • 皮膚や口の中の粘膜の赤み、発熱、嘔吐など、下痢以外の症状が見られる
  • 水のような便が1日10回以上出る、または便の色が黒や白、灰色など明らかにおかしい
  • 水分や食事を自力で撮れないようで、体重が減ってきていて脱水症状も心配

下痢のとき、赤ちゃんをどうケアすればいい?

下痢の症状がみられたときに、赤ちゃんのために自宅でできるケアを紹介します。

  • 刺激が強く、肌荒れの原因となる下痢の付いたおむつはすぐに替えてあげる
  • 繰り返し拭くと痛くなっていまうので、おしりはシャワーや座浴で洗う
  • 洗ったお尻は、柔らかいタオルでやさしく水分を吸い取りドライヤーで乾かす
  • 赤ちゃんの食事がまだ母乳やミルクのみの場合は、いつも通り与える
  • もし母乳やミルクを飲みたがらないようなら、少しずつ回数を増やして与える
  • 離乳食初期の場合は、少し離乳食をお休みして様子を見る
  • 離乳食中期以降の場合は、1つ前の段階に戻して様子を見る
  • 離乳食から消化に良くないもの、脂物、肉類、柑橘系の飲み物は外す
  • 脱水症状にならないよう、湯ざましや麦茶、ほうじ茶、ベビー用イオン飲料を与える
  • おむつ替えのときは、自分と兄弟への二次感染を防ぐため石鹸で手を洗う

また下痢で病院に連れて行くときは、下痢便のついたおむつを病院に持参し、医師に見せると診断・治療に役立ちます。

おわりに:赤ちゃんに下痢以外の症状も見られるようなら、状態を記録して病院へ

まだまだ消化機能が未熟な赤ちゃんは、ちょっとした食事や水分量の変化でも下痢を起こします。このため本人が元気で食欲があり、下痢症状がみられるだけなら心配はいりません。ただし、嘔吐や発熱、食欲の低下、皮膚や粘膜の異常など下痢以外の症状と併発しているようなら、感染症やアレルギーによる下痢症状の可能性があります。このような場合は体の状態の変化や、下痢や嘔吐の回数・現れ方を記録のうえ、病院で診てもらいましょう。

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