記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寒くなってくると、季節の変化や乾燥に体がついていけず、風邪を引きやすくなりますよね。今回は、風邪を引いたときの対処として市販の風邪薬を飲むべきかどうかを、風邪薬の選び方や正しい飲み方、困ったときに頼るべき相談先と一緒に紹介します。
市販の風邪薬の役割は、風邪による諸症状を緩和して体を楽な状態にし、風邪を治すのに必要な体力・抵抗力を回復することです。
人間の体は、風邪の原因となるウイルスや細菌が体に入ってくると、これらと戦って追い出そうとします。この戦いが免疫反応であり、このときに起こる発熱や、ウイルスや細菌を外に出そう出る咳やくしゃみ、鼻水が風邪による諸症状です。
体が疲れていたり、抵抗力が弱った状態で戦ってもなかなかウイルスや細菌を追い出せず、風邪の症状から抜け出せません。風邪薬には、風邪の原因であるウイルスや細菌を倒す効果はありませんが、体がウイルスや細菌を倒せるよう、体の回復を促す効果はあります。
症状を緩和して体を楽にし、少しでも早く風邪を治すためにも、症状に合わせ市販の風邪薬を飲むことをおすすめします。
市販の風邪薬は、風邪の各症状に作用する成分の配合を変えています。したがって、現れている症状、特に辛く緩和したい症状に合う風邪薬を選ぶのがおすすめです。
近年では、風邪薬のパッケージに「せき・たんに」「のどの痛みに」「発熱に」など、どんな症状に効果的な成分が含まれた薬なのか、大きく記載されていますよ。まずはパッケージの文言を頼りに、一番辛く緩和したい症状に当てはまる風邪薬を選び、購入してくださいね。
複数の風邪薬を一緒に飲むことは、基本的には推奨されません。それぞれの風邪薬は、用法・用量を守って服用される前提で有効成分を配合して作られているため、複数の種類を併用すると以下のようなリスクが発生します。
風邪薬は用法・用量を守って服用してこそ、適切な効果が発揮されるものです。用法・用量を守って、正しく飲みましょう。
一番辛い症状がわからない、同じ有効成分をうたう薬がたくさんあるなど、自己判断で風邪薬を選ぶのが難しいこともありますよね。そんなときは、薬局やドラッグストアの薬剤師さん、登録販売者さんに頼りましょう。
薬剤師は医薬品の調剤・供給・衛生管理を、登録販売者は一般医薬品の有効性や安全性について知りつくした、お薬のプロです。症状や痛みの程度、アレルギーの有無などを詳しく伝えると、あなたに合った風邪薬を紹介してくれると思います。
市販の風邪薬には、原因であるウイルスや細菌を体が追い出すのをサポートする役割があります。原因ウイルス・細菌を直接殺す効果はなくても、風邪薬を飲んだ方が、症状緩和や回復を早める効果が期待できるのです。市販の風邪薬を選ぶときは、パッケージの文言を参考に、いま自分が一番辛い症状を緩和してくれるものを選びます。自分で選ぶのが難しいときは、薬剤師や登録販売者に症状を詳しく伝えて、一緒に選んでもらってください。