今年こそジョギングを始めたい!長く続けるコツってあるの?

2020/6/4 記事改定日: 2021/9/30
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

健康維持のためにも、生活習慣病予防のためにも、ジョギングなどの有酸素運動は有効です。しかし、いざ始めようとしても、なかなか習慣化に至らず、途中でやめてしまったり、挫折してしまったりする人も少なくありません。

そこで、ジョギングのために必要なもの、走る頻度や長続きさせるコツなどをご紹介します。ぜひ、この記事を参考に、今度こそしっかりジョギングの習慣を作りましょう。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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ジョギングを始めるためにまず必要なものは?

ジョギングを始めるためには、「ランニングシューズ・ランニングウエア」が必要不可欠です。また、「ランニングウォッチ・サングラス・ランニングポーチ」は用意しておくと役立つ「あると便利なもの」です。
以下で、必要不可欠なものと、あると便利なものを見ていきましょう。

ジョギングに必要不可欠なものは?

ランニングシューズ

ジョギングには、ランニングシューズがとくに重要です。ランニングシューズを履くだけで、普通の靴で走るよりも速く走れるようになったり、ケガをしにくくなったりします。少なくとも、一足は買っておきましょう。

ランニングシューズは、ソールの厚みや傾斜などが自然と走りやすくなるように設計されているので、履くだけで「走りやすい重心と足の運び」になります。耐久性やクッション性、ソールの柔軟性が高く軽量化されているため、関節への負担が軽減され、疲れがたまりにくいです。ケガをしにくく、着地や蹴り出しもスムーズになり、自然とタイムも伸びていきます。

ランニングウェア

シューズの次に大切なのは、ランニングウェアです。動きやすい服装であれば、普通の服でも走れないことはありませんが、ランニングウェアは「吸汗性・速乾性・耐久性・伸縮性」にすぐれています。ジョギングで激しく腕や脚を動かしても、服が動きを邪魔することはありませんし、汗で服が肌に密着して不快になることもありません。
また、吸水性と速乾性にすぐれているので、汗による体温低下や汗をかけなくなることによる体温上昇を防ぐ役割もあります。洗濯後もすぐ乾くので、2着くらい買いそろえておけばローテーションも組みやすいです。

半袖とハーフパンツのランニングウェアを買っておき、寒い季節はランニングジャケットを羽織ったり、レギンスを履いたりするなどしましょう。また、ランニング用のネックウォーマーを用意しておくと、寒さ対策にもなりますし、マスクの代わりにも使えます。

ジョギングであると便利なものは?

続いて、あると便利なグッズを3つご紹介します。これらのグッズは必要不可欠というわけではありませんが、モチベーションの維持やトラブルの防止に役立つこともあるので、用意しておくと安心です。

ランニングウォッチ(スマートウォッチ)

  • ジョギングの速度やタイム、距離を確認したり、記録したりすることは、パフォーマンスアップやケガの防止、モチベーションの維持に役立つ
  • 初心者のうちは、脈拍数を確認することで、無理のない適切な速度を保てるようになる
  • 速度を確認することで、一定のペースを保って走れるようになる
  • スマートフォンをランニング用アームバンドに装着することで、ランニングウォッチ代わりに使える

サングラス

  • 長時間紫外線を浴びると、目のトラブルにつながる。目を紫外線から守るためにあると便利
  • 周囲の目が気になる人は、サングラスをするとジョギングに集中しやすい

ランニングポーチ

  • 水分補給用のボトルを入れられるので、あると便利
  • 小銭や電子決済用のデバイスなどを入れておくと、コンビニや自販機で使えるので便利

いつ・どのくらいの頻度で走ればいいの?

基本的にはどの時間帯でも問題ありませんが、朝にジョギングをすると、代謝が高まり、脂肪燃焼効果が期待できるといわれています。

ただし、睡眠時間がいつもより少ない朝や二日酔いの朝にジョギングすると、健康を害する恐れがありますので、無理しないようにしましょう。起床後にコップ1杯の水を飲み、バナナ半分から1本程度の軽食を食べ、ウォーミングアップをしてからジョギングを始めてください。

朝ジョギングの場所、時間、距離はどうすればいい?

ジョギングの時間は、基本的に自分のライフスタイルに合わせて構いません。平日なら、出勤時間から、「着替え+ウォーミングアップ→ジョギング→着替え、シャワーなど→朝食→身支度→出勤時間」という感じで逆算し、朝ジョギングのスタート時間を決めましょう。休日は取り組みやすい時間で構いません。

ただし、日の出前と後で、以下のように注意するポイントが異なります。

日の出前に走るときの注意点
  • 走り始めは肌寒いので、季節によってはジャケットの脱ぎ着が必要
  • 夏は、走り始めは快適でも、日が昇ってから急に暑くなる場合があるので注意
  • 春から夏、夏から秋は走りやすい日もあるが、気温や天気の変化に注意が必要
  • 秋から冬は寒さが厳しくなるのでウォーミングアップと防寒対策を万全にする
日の出後に走るときの注意点
  • 真夏など暑さが厳しい季節には、紫外線対策と水分補給を万全にする
  • 春や秋は、走り始めは多少寒くても、後から暑くなってくるため、ウェアを工夫する

ジョギングコースは、「自分が走りやすい場所」で構いませんが、日の出前に走る場合は、防犯やケガなどのトラブルの防止のために、できるだけ電灯がついていて明るい場所や、車や人通りのある場所を走るようにしてください。慣れてきたら、複雑なコースを走ってみたり、少し遠出をするコースを走ってみたりしてもいいでしょう。

皇居周辺など、ランナーの多い場所ではロッカー、シャワー、更衣室を完備したランニングステーションがありますので、利用すれば出勤前にも気軽にジョギングすることができます。

走行距離は最初のうちは気にしなくて構いません。距離よりも時間を目安にして、最初はウォーキングを織り交ぜながら、「30分身体を動かす」ことに慣れていきましょう。
例えば「10分ウォーキング→5分ジョギング→5分ウォーキング→10分ジョギング」というように、細かく分刻みでウォーキングとジョギングを繰り返せば、30分動き続けることもそれほど難しくないはずです。

ジョギング前のウォーミングアップって?

ジョギング前のウォーミングアップは、おもに以下の流れで行いましょう。寒い季節は、身体が温まるまでに時間がかかりますので、入念にウォーミングアップをしてください。

ウォーキング

  • 身体を温めるため、5分から10分行う
  • 夏は比較的短くても良いが、冬は身体が冷えているため、長めに行う

ストレッチ

  • 肩甲骨周辺や股関節周辺など、よく使う部位のストレッチを重点的に行う
  • おすすめのストレッチは、「肩回しのストレッチ」と「ランジ」
肩回しのストレッチ
  1. 指先を鎖骨に当て、胸の前で左右の肘を合わせる
  2. 肘を下に動かす
  3. 肘を離して横に広げ、腕が耳につくまで回していく
  4. 両肘が鼻から顎の前を通るように中心に動かしていき、胸の前で肘を合わせる
  5. 逆回しも行う
※慣れてきたら、より大きな円を描くように動かす
ランジ
  1. 手は腰に添え、両脚をそろえて立つ
  2. 右足を大きく前に踏み出し、股関節を前後に広げて重心を落とす
  3. 股関節周辺(とくに太もも前側の腸腰筋)にストレッチを感じたら、5秒キープ
  4. ゆっくり脚を戻し、左側も行う
※顔を正面に向け、背筋を伸ばして猫背にならないようにする
※膝がつま先よりも前に出ないように注意

どうしても朝に走れない人はどうすればいい?

出勤時間が早い、低血圧で朝はつらいなどの理由で朝起きられない場合は、夜のジョギングでも構いません。ただし、寝る直前に運動すると体が興奮状態になってしまい、寝つきが悪くなりやすいです。睡眠時間の2〜3時間前にジョギングが終わるように、開始時間を調節しましょう。

また、明るい場所を選んだり、ウェアを白っぽいものにしたり、反射板のついているものを選んだりするなど、防犯の工夫が必要です。
朝と同様、空腹のまま走るのも良くありませんので、走る前にバナナ1本やおにぎりや肉まん1個程度の軽食をとってから走り始め、走り終わった後の夕食は軽めにしましょう。

ジョギングするときに気をつけることは?

ジョギングで気をつけることは、初心者やブランクがある人は「柔軟性が低下している」「筋力が低下している」「心肺機能が低下している」ということです。やみくもに走るとすぐに疲れてしまったり、膝や腰を痛めたり、ケガをしたりすることもあります。以下のような手順で、徐々に慣らしていきましょう。

最初はウォーキングから
  • 最初からジョギングしようとせず、まずはウォーキングで「走れる体」を作る
正しいフォームで
  • つま先をそろえて気をつけの姿勢で立ち、へその下に手のひら、背中に手の甲を置いて息を吐きながらお腹を凹ませた状態にする
  • ウォーキング中やジョギング中は、この姿勢をキープするよう気をつける
ウォーキングから、徐々にジョグウォークへ
  • 正しい姿勢で30分間ウォーキングする習慣がついたら、少しずつジョギングの時間を増やしていく

ジョギングを続けるコツは?

ジョギングを長く続けるためには、モチベーションを維持することが重要です。そのためには、「セルフ・エフィカシー」と呼ばれる、小さな成功体験を積み重ねて自分の中に自信を生み出していくという工夫が役立ちます。

たとえば、徐々に走る距離や時間が長くなり、達成感や楽しさを得られるようになっていくことも「セルフ・エフィカシー」の1つです。また、以下のような工夫も、「セルフ・エフィカシー」の助けになるでしょう。

音楽を聞きながら走る
  • リラックスして走ったり、テンポよく走ったりできるので、楽しくなる
  • 「この曲が終わるまで走る」など、達成感を得られる
※音量は、周囲の音が聞こえるよう調整し、近づいてくる車やバイク、自転車にも注意する
GPSウォッチやランニングアプリを活用する
  • ジョギング後に、自分が走った結果を見えるようにしておくと、モチベーションアップにつながる
  • コースや時間を計測してくれるランニングアプリがたくさんあるので、活用する
  • GPSウォッチを使えば、その場で距離と時間を確認できるほか、アプリと連携してさまざまなデータを記録できる
知らない街、場所に行ってみる
  • 自宅近くだけではなく、少し足を伸ばして知らない場所や街に行くと気分転換になる
  • コインロッカーや銭湯など、帰りの着替えを預けられる場所を起点にすると、荷物を持たず楽しく走れる
  • 観光マップやアプリなどを参考に、景色の良い名所を巡るのもおすすめ
  • 観光庁や各地域の自治体がランニングコース、ウォーキングコースを紹介していることもあるので、調べてみると楽しみが増える

おわりに:ジョギングを続けるためには、しっかりした準備とモチベーション維持が大切

ジョギングを始めるには、まずランニングシューズとランニングウェアを買いそろえましょう。また、ジョギング用のウォッチやポーチ、サングラスなどがあると走りやすいです。ジョギングの時間は朝がおすすめですが、夜でも工夫次第で走ることができます。
ジョギングを長く続けるためには、モチベーションの維持が重要です。音楽を聞きながら走る、アプリを活用する、コースを変えてみるなど、自分が楽しく走れる方法を見つけましょう。なお、あえて車なし生活を送るようにすることも、有酸素運動を習慣化することに役立つかもしれません。

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