記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/20
記事監修医師
前田 裕斗 先生
多くの女性は、赤ちゃんを出産した後、妊娠前の体型を取り戻すにはどれくらいかかるか気になっています。
産後、もしかしたら元に戻れないんじゃないかと焦る気持ちもあるでしょう。
ここでは、産後の体の変化とダイエットについてまとめました。
赤ちゃんが誕生した瞬間、妊娠中についた余分な体重をすべて失うことは妊娠した女性の夢ですが、実際には誰も急激に妊娠前の体に戻すことはできません。
新生児の重さ(たいていおよそ2.3キログラムから4.5キログラムの間)と羊水と胎盤(出産時に娩出されます)の正確な重量にもよりますが、ほとんどの女性は、出産時に最大でおよそ5.5キログラム体重が減る可能性があります。妊娠中に増加する体重の平均値が11.5キログラムから16キログラムであることを考えると、これは健康的なのです。
では、残りの体重はどこにいったのでしょうか? 乳房組織や血液、脂肪、肥大した子宮などについています。実際、子宮が妊娠前の大きさに戻るまで、出産直後から約6週間かかります。赤ちゃんがいたお腹は完全に元に戻らないかもしれません。
再び元の体型に戻るためにできることはたくさんあります。しかし、何も自分に厳しくなりすぎることはありません。妊娠中に体は出産のためにあちこちに動き、伸び、大きくなったのです。「体型を元に戻す」ことに集中しすぎないでください。ほんのちょっと前の体型とは違ったとしても、健康的であることが何よりも大切なのですから。
出産後、ゆっくりと体重が減ると思います。医者と相談しながら安全で合理的な目標を立てて減量をすすめていきましょう。どんなに減量したとしても、1週間につきおよそ0.7キログラム以上減量しないようにしましょう(カロリーで言えば 1週間あたり約5000kcal以上は減らさないようにする)。
多くの新米ママは、赤ちゃんの6カ月の誕生日までに妊娠中に増えた体重を落としていますが、誰もが自分のペースでダイエットしています。
ダイエットに影響を及ぼすさまざまな要素が明らかになっています。例えば、年齢(基礎代謝は25歳以降、10年ごとに2パーセントずつ減少)、食事(炭水化物よりもタンパク質を多く摂り、1日のうち遅い時間には多く食べない)、活動量(動けば動くほど、消費するカロリーが増えます)、そして、もともとの基礎代謝などです。
忘れないでほしいのは、体重を戻すのにはある程度以上の時間がかかるということです。例えばもし妊娠中におよそ16キログラム以上増えたら、元に戻すためには10カ月程度の期間はかかってもおかしくありません。
産後、体重を減らす有効な方法として授乳があります。多くの先輩ママが証明するように、母乳を与えることで、短時間で体重を落とすことができるのです。実際、どれだけ母乳を与えるかによって変わるものの、母乳を与えることで1日あたり500カロリー燃焼させることができます。さらに、授乳することで子宮を収縮させるのに必要なホルモンが放出され、子宮が元の大きさに戻り、カロリーが燃焼する助けとなります。
母乳育児をやめると授乳の分だけカロリー消費が少なくなります。離乳後に食べ過ぎないように気を付けましょう!本来人間の身体は離乳時に自然に食欲が減るようにできています。また、授乳が終わった後ではライフスタイルの変化が、基礎代謝を変化させます。ですから、授乳中よりも少し食事を控えるようにすれば、体重計の数字が増えていくのを防ぐことができるでしょう。
お母さんの体は出産のダメージから回復し、感染を予防し、赤ちゃんに母乳を与えるために十分な休息と栄養が必要です。このため、たとえ妊娠前の洋服を着るためにやせたいと願っても、生後6週間になるまではあまりに過激なダイエットは控えた方がよいでしょう。
出産という一大イベントがやっと終わったのですから、まず自分の体をいたわりましょう。回復していない体で赤ちゃんの世話や授乳をするのはとても大変です。なるべく休みながら、体調回復を心がけ、その後に増えた体重を戻すことに取り組みましょう。