記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
1型糖尿病って聞いたことがありますか? 自己免疫疾患などでインスリンの生産ができない体質をいいます。注射などでインスリンを投与する必要があります。
この記事では、1型糖尿病についてのケアをまとめました。
1型糖尿病を管理するためには、血糖値とインスリン投与量の管理、運動、栄養、適切なサポートが必要です。
1型糖尿病が診断されたということは、膵臓がインスリンを生産することができなくなっているということを意味します。
注射やインスリン・ペン、またはインスリン・ポンプで、毎日複数回のインスリンを投与し、血糖値を管理する必要があります。どのインスリンが自分にとって最適か、医師のサポートの元に、決める必要があります。
運動もまた、糖尿病ケアの重要な要素です。運動は健康にさまざまないい作用がありますが、糖尿病患者にとっていちばんのメリットは、血糖値をより安定させることです。
栄養管理は、糖尿病の状態をコントロールする最も重要な部分です。食品が自分の血糖にどのように影響するのかを理解し、堅実な食事計画を作ることが、必要になります。
初期の段階では、あまり考慮されませんが、感情のコントロールも大切です。自分と同じように、毎日糖質量を把握し、複数回血糖値を測定し、血糖値の変化と付き合っている仲間と、つながりを持つと良いでしょう。
運動が血糖値へ影響する程度は、以下の状態によって異なります
・運動開始前の血糖値
・運動の強度
・運動時間
・インスリン投与量の変更の有無
運動中または運動後に急激に血糖値が低下することがあるので、血糖値をチェックし、予防措置を講じ、低血糖を治療するための準備がとても大切です。
各種の運動が血糖値にどう影響するかを把握するため、運動の前、途中、後に血糖値を頻繁にチェックする必要があります。
例えば、運動量を増やす際には、運動前にインスリンの投与量を減らしてみる、糖分を少し取るようにしてみる、などです。特定の運動が血糖値を急速に低下するという可能性もあります。
運動前に血糖値が下がっている場合は、すばやく血糖値を上げる食べ物や飲み物(ジュースやブドウ糖タブレットなど)などを用意してください。色々と試してみることで、何が一番効果的に糖分をとれるか、わかってくるでしょう。
運動前に血糖値が100mg / dl未満の場合であれば、糖分(約15グラム)を摂り、血糖値を上げるようにしてください。特に、30分以上の運動を行う場合は、インスリン濃度が上昇する可能性が高いため、注意が必要です。
運動中または運動後に血糖値の低下が繰り返し起こる場合は、医師に相談してください。
負荷の高い運動は、ストレスホルモンレベルを上昇(すなわち血糖値を上昇)させるため、運動中または運動後に血糖値が高くなりやすいです。
運動前に血糖値が高い場合、血中または尿中のケトン体を調べましょう。ケトン体検査で陽性が出たら、激しい運動は控えましょう。
ケトン体検査が陰性で体調に問題なければ、運動をしても問題ないでしょう。
医師は、患者の運動、食事、インスリン量のバランスをとることです。
各運動に対する、血糖値への影響を知るために、運動内容と数値を記録しておき、医師に伝えてください。医師がよりよい計画を組むための参考になります。
慢性的に血糖値が高すぎたり低すぎたりする場合は、インスリン投与量を変更するか食事計画を変更する必要があります。このときも、医師に相談しましょう。
1型糖尿病になると、日常生活に規制が生じてしまいます。でも、自分の血糖値のコントロールに慣れることで、特に問題なく過ごせるでしょう。食事と運動を上手にケアして、人生を楽しみましょう。