記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/3
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
日常生活を送る中でふいにおとずれる不快感。病院に行くほどじゃない気もするけれど、いつもと違う感じが続くとなんとなく気になってしまいますよね。ここでは便秘や胸やけといった体の内側で起こる不快感と、かゆみやかぶれなどを伴う皮膚炎など、ぱっと見た感じではわからない体の不快感に対処するセルフケアのヒントをご紹介します。
便秘の症状を和らげるために必要なものは、食生活の改善に尽きます。
セルフケアのヒントは以下になります。
食事に食物繊維(果物や野菜、ナッツ類、玄米や全粒粉のパスタやパンなど)を加えてください。この効果が出るには数日間から4週間かかる場合があります。
水分が足りないと便秘になりやすいので、十分な水分を摂るようにしてください。
定期的な運動は、便秘のリスクを減らします。
便秘が腹部の痛みを引き起こしている可能性がある場合は、パラセタモールなどの鎮痛剤を服用してください。
上記を試しても改善が見られなかった場合は、市販の下剤を試してみてください。服用するときは薬剤師に相談し、パッケージや同梱の説明書の指示によく従ってください。
それでも効果がなかったときは、医師の診察を受けてください。
なお、過敏性腸症候群(IBS)を患って便秘になった場合は、水溶性食物繊維の摂取量を増やすことをお勧めします。可溶性食物繊維を含む食品は、バナナ、りんご、にんじん、じゃがいもなどです。
胸やけや消化不良、膨満感といった症状は、簡単な生活習慣の改善と市販の医薬品の服用で改善することが多いです。
セルフケアのヒントは以下になります。
短期間の症状を和らげるために、薬剤師は胃酸を中和する制酸薬や、食道を酸から守るアルギン酸ナトリウムを推奨することがあります。
肥満は胸やけの原因となる場合がありますので、体重を減らすことを心がけましょう。また、食事は寝る前の少なくとも3時間前までに終えてください。そして、飲酒や喫煙は量を減らすか、もしくはやめましょう。
寝るときの頭の位置を数センチ上げると、胃酸から食道を守ることができます。
症状はおそらく、2日から4日続くと思います。それ以上経っても症状が改善しない場合は、医師の診察を受けてください。
皮膚炎は、刺激物あるいはアレルギーによって引き起こされる可能性があります。
セルフケアのヒントは以下になります。
掻くことによって皮膚が傷つき、ばい菌が侵入して感染症に繋がる可能性があります。爪を短く切っておくことも役に立つかもしれません。掻く代わりに、かゆいところを指でこすることもできます。
刺激物やアレルゲンを特定し、その原因に再び接触することを避けるようにしましょう。
香りのきついものを避け、無香料タイプのものや、低刺激のものを選びましょう。
保湿クリームは薬局やドラッグストアで入手できるもので、軽度の皮膚炎の症状を和らげるのに役立ちます。皮膚炎には、無香料タイプのほうが刺激が少なく、お勧めです。
上記のセルフケアを試しても症状が改善しない場合は、薬剤師に相談するか、医師の診察を受けてください。
不快感がしばらく続くと「自分にとってこれが普通」と思ってしまいがちですが、体の不調の中に、自分では気づいていない病気が潜んでいる可能性もあります。ご紹介したセルフケアを試しても症状が改善しなかったときは、医師に相談してみてください。