記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/28
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
子どもは大人がやっていることに興味津々です。スマートフォンやタブレットを使っていると、何をやっているのか気になったり、自分もやりたいとせがんだりします。インターネットはいろんな情報にアクセスできて便利な反面、リスクがあることもまた事実。大人は安全かどうかを判断できますが、子どもはその判断ができません。安全に使えるようになるまで、親がしっかり守ってあげましょう。
現実世界で行わないことは、インターネット上でも行わせないことが大切です。たとえば現実世界で、通りすがりの人にいきなり個人情報を渡したり、自分の写真を送りつけたりするようなことはしないと思います。インターネットは目の前に相手がいないので危険を察知しづらく、うっかりやってしまう危険性がありますが、絶対にやらないように伝えましょう。
そのほか、子どもに特有の問題として、「ネットいじめ」があります。ネットいじめとは、テクノロジーを駆使したいじめです。テキストメッセージやSNSの投稿、ゲームサイトなどで行われます。
ネットいじめは一日のどの時間帯でも起こり得るので、対処が困難です。さらに悪いことに、いじめに使われるメッセージや画像は共有しやすく、拡散も早く制御できないため、より多くの人に長い間閲覧される可能性が高いです。
でも、危険だからといって、慌てて子どもにインターネットの利用を全面的に禁止するようなことはしないでください。禁止してしまうと、子供はどのようにしてインターネットを安全に利用するかを学ぶ機会を失ってしまいます。
その代わりに、子どもがインターネットで何をしているのかに関心を向け、子どものインターネットの接し方に変化がないか、見守ってあげてください。ネット上でいじめに遭っている可能性があるときは、子どもがインターネットに費やす時間が突然に急増したり、あるいは自分がインターネットを使ってやっていることを隠そうとすることがあります。
お子さんに、有害であると感じるウェブサイトを決して閲覧させないようにしてください。インターネット上のチャットルームやSNSは、小児性愛者がターゲットとなりそうな子どもを探すのに理想的な場になっています。彼らあるいは彼女らは、どんな人間のふりでもすることができ、子供の信用と信頼を得ていきます。
お子さんにチャットルームやSNSの持つ危険性について話してください。インターネット上で、自分の実名や住所、メールアドレスや電話番号などの個人情報を決して入力しないよう伝えてください。特に、自分や自分の友達の写真を投稿させないことが重要です。これはお子さんだけでなく、お子さんの友だちのご両親とも相談し、方針を決めておくべきことです。ほかの子どもが投稿するグループ写真に、あなたのお子さんが含まれて写っていることもあるためです。
そのほかに気をつけることとして、以下のようなことがあります。
・家族で使うコンピューターは、誰が何をしているかが見える位置に置く
・インターネットで知り合った人に会いに行きたいと言った場合は、親自身、もしくは信頼できる人に付き添ってもらう。また、会うときはショッピングセンターや駅前のカフェなど、人が多いところで会う
子どもがインターネットを使いたいと何度も言うようになったら、安全な使い方を教えてあげることが必要です。専門機関がウェブサイトで公開している情報をチェックしてみてください。子ども向け、親向けなど、対象者別になった情報が提供されています。お子さんがインターネットを活用し、世界を広げられるよう、手を差し伸べてあげましょう。