記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/17
記事監修医師
前田 裕斗 先生
「何日もお通じがなくて苦しい...」「便秘でお腹が重たい」
このように便秘に悩まされている方は多くいらっしゃることでしょう。では、便秘を解消するにはどのような方法があるのでしょうか。
この記事では便秘に対するセルフケアとお薬などによるメディカルケアについてご紹介していきます。
まずは生活習慣を見直すことから始めてみましょう。普段の食事内容の改善や定期的な運動などの自分でできる便秘に対するセルフケアをご紹介します。
食物繊維を含む食品を食べましょう。食物繊維は整腸作用があり、便のかさを増やし、便の通りをスムーズにしてくれます。
食物繊維の多い食品としては以下のようなものです。
・皮付きの野菜や果物
・全粒粉が入ったパン
・玄米
・豆類
・ナッツ類
また、普段の生活の中で水を積極的に飲むようにしましょう。十分な水分摂取は便秘の改善に効果があるといわれています。
定期的な運動は便秘改善の効果が期待できます。というのも、運動が腸の中の筋肉の活動を促進してくれるからです。
自分でセルフケアを行っても便秘が改善しない場合は、医師に相談し薬による治療を行う必要があるかもしれません。便秘の治療を専門とする便秘外来もあります。
病院で処方される薬や市販の薬を使って便秘を治療する方法もあります。薬には様々な種類があり、主な薬の種類としては以下のようなものです。
食物繊維のサプリメントは便のかさを増してくれます。
ピコスルファームナトリウム、センナ・センノシドを含む刺激性便秘薬は腸を刺激し、腸を収縮させます。
浸透性便秘薬は結腸部分の液体の通りをスムーズにしてくれます。浸透性便秘薬は酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ラクツロースを含んでいます。一般的には酸化マグネシウムが用いられ、通常ラクツロースはよほどの重症でない限りは便秘薬としては処方されません。
リン酸ナトリウムなどのかん腸は、便を柔らかくし、排便を促します。グリセリンやビサコジルなどの坐薬は便を柔らかくします。
便秘の症状が深刻で、直腸ヘルニア、裂肛、狭窄症などを引き起こしてしまった場合には手術をして治療する場合もあります。
結腸部分を便が通過するのが異常に遅い人は、結腸の一部を取り除く手術を行うこともあります。ただ、結腸全てを除かなければならない手術を行う場合は稀です。
食物繊維の摂取を意識した食事を心がけ、定期的な運動を行っても便秘が改善しない場合は、医師に相談して薬による治療を行う必要があるかもしれません。人によっては便秘の症状が深刻な場合、手術をすることもあります。しかし心配しすぎる必要はありません。まずは今回ご紹介した自分でできる便秘解消法を試してみることから始めてみましょう。