記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/6/15
記事監修医師
前田 裕斗 先生
3回にわたってお届けしてきた「妊娠の確率を上げる方法」も、いよいよ最終回です。
今回は性行為や、特に男性の生殖機能に関わるポイントを中心に妊娠しやすくする方法をお伝えしていきます!
最新の研究によると、セックスの回数が多ければ多いほど妊娠する可能性が高くなることが明らかになっています。つまり、毎日セックスをすることは妊娠するために効果的な方法なのです。排卵日には欠かさずセックスをするようにしましょう。
ただし、1日に複数回セックスを行うと、むしろ妊娠の可能性が下がるので要注意です。これは、その日の中での射精の回数が多くなればなるほど、精液に含まれる精子の数が少なくなることが関連しています。
もし性欲が減退気味であれば、対策として成人向けの映画を見てみましょう。男性は性的描写のある映画を見た後、多くのテストステロンと精子を産生すると考えられています。
オイルベースの潤滑剤(マッサージオイルなど)は、子宮頸管粘液や腟内pHを変化させる可能性があるため、精子が卵子に到達しにくくなり、妊娠できる確率が低下してしまう恐れがあります。
ピルには通常エストロゲンとプロゲステロンが含まれていますが、これらは排卵を抑制し、着床を妨いで妊娠しないように働きかけます。ピルを内服していた人でもやめてから妊娠する確率が減るということは全くありません。しかし、ピルをやめてから再びホルモンが分泌し、通常通りの生理(医学的には月経というのが一般的です)周期に戻るには、通常は1~2ヵ月程度しかかかりませんが人によっては数ヵ月かかることもあります。
正しい月経周期は妊娠の確率を上げるためには欠かせないものなので、ピルを服用中であれば、早めに服用をやめることをおすすめします。
「週12時間以上の自転車は精巣に悪影響を与える可能性がある」という研究があります。自転車に乗りすぎている男性は、別の移動方法に切り替えましょう。
膝の上にノートパソコンを置いたりして精子が温まると、精子の数が減ってしまう恐れがあります。携帯電話やスマートフォンもこれに該当する可能性があるので、妊娠の確率を上げるためにも男性はポケットの中に入れないようにしましょう。
さきほどの電子機器と同様の原理ですが、体にフィットするタイプのパンツを履いていたりすると、精子の産生量が低下する可能性があるそうです。妊娠の確率にそこまで多大な影響を与える問題ではありませんが、最も妊娠しやすい環境を整えたいなら、パートナーにボクサーパンツに切り替えてもらうのもひとつの方法でしょう。
妊活というと女性のイメージが強いかもしれませんが、妊活は夫婦がともに取り組んでいく必要のあるもの。事実、男性側のちょっとした習慣が、ほんの少しだとしても妊娠の確率を下げてしまっている可能性もあるのです。二人で協力しながら妊娠しやすい状態を整えていくことこそが、妊娠の確率を上げる一番の方法かもしれません。