記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/22 記事改定日: 2019/5/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
夏に限らず、暑いときに気をつけたいのが熱中症です。近年、日本では酷暑により多くの人が亡くなっています。
この記事では熱中症の原因についてまとめました。熱中症の危険から身を守るためのヒントにしてください。
あまりの暑さで、自分の体を適切な温度に保つことができないとき、熱中症になります。
人間は通常、汗をかくことで体を冷やします。しかし、いくつかの条件の下では、発汗だけでは体を冷やすことが十分ではありません。
発汗で自分で冷やせないとき、人の体温は急速に上昇します。体温が非常に高くなると、脳やその他の生命維持に重要な器官に損傷を与えることがあります。
非常に暑い時期に、自分の体を冷やせなくなる原因には、いくつかあります。特に湿度が高い場合、汗が素早く蒸発しないため、体が熱を素早く放出することができません。
このような状態になると熱が内側にこもり、熱中症を発症します。
熱中症になりやすい要因には、年齢、肥満、発熱、脱水、心臓病、精神疾患、循環不良、日焼け、処方薬およびアルコールの服用などがあり、高齢者、子供、精神障害や慢性疾患の人もリスクが高くなります。
しかし、若くて健康な人でも、暑い時期に激しい運動を行うと、熱中症になる可能性はゼロではありません。
リスクの高くない人でも、暑い時間に出かける必要がある場合は、日よけの帽子や軽いスカーフを着用し、極度の運動は避けるようにしましょう。
酷暑とは、「その年、その場所で、平均よりもかなり暑い、もしくは湿度の高い(あるいは両方)こと」として定義されています。
酷暑のような気温や湿度が極端に高いとき、身を守るためのヒントを下記に挙げます。
暑い時期には、活動量に関係なく水分摂取量を増やす必要があります。のどが渇くまで待たず、水分摂取を心がけましょう。
暑い環境で激しい運動をするときは、1時間ごとに2杯から4杯(約480~950ml)の冷たい飲み物を飲んでください。汗で失われる電解質を含む飲料をおすすめします。
注意することとして、心臓や腎臓などに問題があり医師に水分補給量を制限されている場合は、暑い季節にどれくらい水分を飲んでいいか医師に確認しましょう。
アルコールや砂糖をたくさん含む飲み物は飲まないでください。体から水分を失う原因となります。また、胃けいれんを引き起こす可能性があるので、冷たすぎる飲み物は控えましょう。
私たちの身体の様々な機能が正常に働くにはナトリウムやカリウムなどの電解質が必要不可欠です。塩分は血液などの体液中に溶けて存在していますが、多量の発汗や食事量の減少などによって塩分が不足すると、体内の水分を減らして電解質の濃度を維持しようする仕組みが作用します。その結果、身体から水分が失われ、熱中症を発症しやすくなるのです。
熱中症は、誰でもかかる可能性のある病気です。でも、対策を怠らなければ、それほど恐くはありません。まずは、暑いときの外出や運動を控えること、水分補給をこまめにすることです。熱中症の原因を知っておけば対策はおのずとわかるでしょう。