記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「外を歩いていたら頭痛を感じた」「スポーツをしていたらめまいを感じた」
このような症状を感じたら熱中症かもしれません。特に、暑い季節に外出する時や運動をする時は注意が必要です。この記事では熱中症の症状とそれらの症状への対処法をご紹介していきます。
熱中症は頭痛だけでなく筋肉痛や吐き気をはじめとした症状を引き起こします。ここでは熱けいれん、熱疲労、熱射病という段階に分けて解説します。これらは全て熱中症の中に含まれます。
熱けいれんは熱中症の症状の一つで、暑い天候の中で激しい運動をした人や、運動により汗をたくさんかいた人に見られる傾向があります。熱中症の初期の症状で、具体的な症状は筋肉痛やこむら返り(足や手がつること)などです。筋肉痛やこむら返りは運動で使った筋肉にあらわれることが多いですが、そのほかの筋肉にあらわれる場合もあります。
熱疲労は、頭痛、吐き気、嘔吐、無気力、過敏症、のどの渇き、および食欲不振を特徴とする熱中症の症状です。主な原因として、水分や塩分不足が挙げられます。水分不足による熱疲労の症状は、水分補給や涼しい場所への移動などを行うことで数時間で回復することが多いです。一方、塩分不足を原因とする熱疲労の症状は、水分補給とともに塩分も適切に摂取しないと数日間続くことがあります。
熱射病は40度を超える高熱、意識障害(意識を失う、意識の混乱が見られる等)、発汗不全(汗をかかなくなり、肌が赤く乾燥してくる)などが見られる熱中症の重度の症状です。熱射病は、体が熱を放出できなくなることで起こります。体の中の体温が急激に上がるので、体全体の細胞や臓器に大きなダメージを与えます。周囲の人に熱射病の症状がみられるときはすぐに救急車を呼びましょう。
では頭痛などの熱中症の症状が現れた場合は、どうすればよいのでしょうか。また、熱中症を予防するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは具体的な対処法についてご紹介していきます。
屋外にいるときなどに自分や周囲の人に熱中症の症状が見られたら以下の手順で体を冷やしましょう。
1. 涼しい場所に移動する
2. 衣服を脱ぐ
3. 横にして足を少し持ち上げる
4. たくさんの水を飲む(スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです)
5. 肌を冷やす(スプレーやスポンジで冷たい水をかけたり、風に当てたりしましょう。脇の下や首の周りに氷パックを当てるのもいいでしょう。)
周囲の人に応急措置を行う場合は、症状が回復するまでそばにいてあげてください。30分たっても症状が回復しない場合は病院に行きましょう。
熱中症の症状が現れる前に、予防することが大事です。暑い季節に外出するときや運動後は、以下のような方法で体を冷やましょう。
・冷たい飲み物をこまめに飲む (スポーツドリンクや経口補水液などを飲む)
・運動後などに冷たいお風呂やシャワーを浴びる
・色が明るく、ゆったりとした服を着る
・肌や衣服に水をかける
・午前11時から午後3時の間の外出を避ける
暑い時期の外出中などに頭痛を感じたら、すぐに日陰や冷房の効いた場所に移動し水分・塩分摂取を行いましょう。また、周囲の人に熱中症の症状が見られたら、上記のような応急措置を行い、重度の症状が見られるときは、すぐに救急車を呼びましょう。熱中症は症状が現れる前に予防することが大切です。暑い季節には特に水分・塩分補給に注意しましょう。