記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
いわゆる生活習慣病のひとつ「糖尿病」、その名前のほかはご存じですか。糖尿病とはどのような病気で、どのような症状を引き起こすのでしょう。糖尿病になりやすい生活習慣と、リスクを下げるために必要なことについて解説します。
糖尿病は体内の血糖値が正常にコントロールできなくなる疾患のことです。1型と2型の2つのタイプがあり、それぞれ症状と発症の原因が異なります。1型の場合、インスリンをつくることができず、子供や若年成人の発症が多いことから、かつては若年性糖尿病とも呼ばれました。
糖尿病患者の90%を占めるのが2型で、こちらはインスリンが適切に働かなくなることにより発症し、主に不規則な生活習慣が原因と考えられています。
糖尿病がほかの病気以上に恐ろしいといわれているのは、身体にさまざまな支障をきたす合併症になる可能性があるからです。合併症のうち、糖尿病性網膜症、糖尿性腎症、糖尿病性神経障害のことを三大合併症といいます。
高血糖によって血流が悪化すると網膜に異常が起こりやすくなり、進行すると、眼底出血、硝子体出血、網膜剥離などによる視力の低下、最悪の場合、失明の恐れがあります。
腎臓のろ過機能が低下してさまざまな合併症を引き起こします。尿にたんぱく質が含まれるようになると、さらに腎臓にダメージを与え、最終的には透析や腎移植が必要になることもあります。
糖尿病による神経障害は身体の感覚を鈍らせ、皮膚の異常、下痢、便秘などさまざまな症状を引き起こします。
糖尿病の初期はほとんど自覚症状がないので、気づいたときにはすでに手遅れになっていることも多いです。また、ウイルスへの抵抗力が弱まり、感染症にもかかりやすくなってしまいます。
頭痛、喉の渇き、頻尿、食後間もない空腹、睡眠障害・・・。これらは糖尿病の初期症状の典型的なものです。暴飲暴食や喫煙、ストレスなど、高血糖の原因に心当たりはありませんか?思い当たることがある場合はすぐに病院を受診し、生活習慣を見直しましょう。
血糖値が乱高下する主な原因として、下記があります。これらにチェックがついてしまう人は、糖尿病になるリスクが高いかもしれません。
<高血糖>
・食べ過ぎ
・運動不足
・副腎皮質・ステロイドや抗精神病薬など、他の治療薬による副作用
・ストレス
・脱水
<低血糖>
・欠食
・アルコールの摂取
・インスリンもしくは経口糖尿病治療薬の過剰投与
・激しい運動
上記のチェックで糖尿病のリスクが高い可能性が示唆されたとしても、糖尿病になる前であれば、バランスのとれた食生活、正しい睡眠、適度な運動などを心がけることで、リスクを少なくすることができると考えられています。また、すでに糖尿病になってしまっているとしても、進行を遅らせるためには、生活習慣の改善が必要です。糖尿病で悲しい思いをする前に、健康的な生活リズムを取り戻しましょう。