記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
運動不足、ダイエット、ストレスなど、便秘に陥ってしまう原因はさまざまありますが、特に水分と食物繊維の摂取不足による、腸内活動の不活発に負うところが大きくなります。あまりに症状が深刻になると薬の服用が必要になってしまいますが、まずは食生活の見直しから始めてみましょう。
仕事や家事に追われて、手軽にすますことができるファストフードや出来合い品ばかりの食事になっていませんか?そのほかにも、スナック菓子、アイスクリーム、冷凍食品などは、食物繊維をほとんど含んでいないものも多く、栄養バランスの乱れひいては便秘の原因となる可能性があります。
香辛料や脂がたっぷりのったメニューは、食欲を大いに刺激します。しかしこうした食品は、胃や腸の働きを損ない、食べすぎると胸やけや腸管過敏症を引き起こす場合があります。また、炭酸飲料やコーヒーも、カフェインによって胃の酸を増やし、負担をかけるといわれています。
体内環境を悪くする食べ物や飲み物を摂りすぎていないか見直しましょう。腸内で善玉菌を増やしながら無理なく豊富な栄養を補給できると考えられているヨーグルトを、普段の食事で取り入れてみてください。
食物繊維はコレステロールを低下させるとともに、消化の働きを活発にし、スムーズな排便を促す作用があるといわれています。全粒パン、玄米、野菜・果物、豆、オーツ麦など、食物繊維が豊富な食べ物を積極的にメニューに加えましょう。これらは、心臓病や2型糖尿病のリスク回避にも効果が期待できます。
ただし、急に摂りすぎると鼓腸症や過敏性腸症候群の原因になることがありますので、適量を守り、なるべくたくさんの種類の食べ物から摂取するように心がけてください。年齢によって異なりますが、おおむね1日30gを目安にしましょう。
体内の水分が不足すると、身体が水分の流失を防ごうとするため、便が硬くなり、排出が難しくなってしまいます。また、水分の摂取は代謝を活発にすると考えられています。朝の寝起き、毎食、運動後など、定期的に水を飲む習慣を心がけましょう。1日当たりコップで10杯、およそ2リットル以上を目標にしてください。
食生活に見直しの必要がある場合は、不摂生な生活習慣に起因していると考えられますので、ただちに改善させましょう。その後、ストレスを感じない程度の運動を始めてみてください。また、毎日決まった時間にトイレに行く習慣をもつことも、便秘解消には効果的といわれています。くれぐれもあせりは禁物です。気長に取り組んでいきましょう。