記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年、日本では糖尿病患者の急激な増加が問題となっています。その糖尿病と深い関係にあるのが腎臓病だということを知っていますか?腎臓は一度傷つくと完治が難しい繊細な臓器であり、腎臓病にならないためには、予防と現状維持を心がけることが大切です。
ここでは腎症の原因や予防法・対策についてご紹介します。
腎臓には血液中の老廃物をろ過する働きがあります。
しかし、高血糖状態などによって腎臓が酷使され続けると、本来きれいに除去されるはずの老廃物が血液中に溜まってしまうのです。
この機能が停まってしまうと腎臓病を発症する可能性が高くなります。
糖尿病の他にも、腎疾患の発症に影響を与える要因としては遺伝、高血圧などがあげられます。
腎臓は機能しない毛細血管を補おうと働くため、ほとんどすべての機能がなくなるまでは症状が現れないことがほとんどです。
また、腎臓病だと明らかにわかるような兆しがないので、自分では中々気づきにくいという問題もあります。
ほとんどの場合、最初の症状は浮腫(むくみ)です。
他の症状には睡眠障害・食欲不振・胃腸の不調・衰弱・集中困難などがあります。
最悪の場合は腎不全となり、腎臓の移植又は人工透析が必要になります。
糖尿病性腎疾患は血糖値を目標範囲内に保つことで予防できます。
厳密な血糖管理によって微量アルブミン尿(少量のタンパク質を含む尿であり、糖尿病性腎症の指標の1つ)のリスクが3分の1に減少したという報告があります。
・運動を取り入れる
・野菜や低脂肪の食品を中心としたバランスの良い食生活を送る
・睡眠をしっかり取る
・血糖値を管理する
・血圧を管理する
特に血圧は軽度の上昇でもすぐに腎臓病を悪化させる場合があり、病気の進行に大きな影響を与えます。
ご自身で数値を把握しておくのがおすすめです。
血圧を下げるためには、体重を減らす・塩分を控える・アルコールやたばこを摂らない・運動することなどが効果的とされています。
特定の医薬品を使って血圧を下げる方法もあります。
様々な種類の薬がありますが、すべてが糖尿病患者に適しているわけではありません。
血糖値を上昇させるものもあれば、低血糖症の症状を和らげるものもあります。
ACE阻害剤は糖尿病、高血圧および腎臓疾患を有する多くの人々に推奨されています。
最近の研究ではACE阻害剤(カプトプリルおよびエナラプリルを含む)が、血圧を低下させることに加えて腎臓疾患を遅らせることが解かっています。
腎臓は私たちの体にとって大事な役割を担っている臓器です。
その高い機能性故に、ダメージを受けてしまうと元に戻るのが難しくなってしまいます。
健康的な生活を長く送るためにも、腎症のリスクから腎臓を守りましょう。
また、腎臓病になってしまった場合も、適切な治療で悪化を防ぐことを心がけましょう。