記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/7/10 記事改定日: 2018/3/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
間違った洗顔方法や睡眠不足、ストレスなど、ニキビの原因はさまざまですが、「食べ物」」もニキビの原因の一つと考えられています。今回の記事では、ニキビを誘発する食べ物や、逆にニキビを改善する可能性のある食べ物についてご紹介します。
皮脂が分泌されやすい体質の人はニキビができやすいのですが、この体質は遺伝するだけでなく、そもそもの食習慣によって形成されているとも考えられています。具体的に、下記の食べ物はニキビの原因になると言われるものです。
ファストフードやスナック菓子、ケーキ、揚げ物、ピザ、パスタ、ラーメンなどは皮脂の分泌量を増やし、ニキビをできやすくすると言われています。また、これらの食べ物による血糖値の上昇も、ニキビの原因の一つと考えられています。
香辛料を多く含む食べ物を摂りすぎると、皮脂腺が刺激され、ニキビができやすくなります。
ニキビの原因となる食べ物としてチョコレートを思い浮かべる方は多いですが、実は因果関係はわかっておらず、国内や海外のいくつかの機関も「チョコレートとニキビの発生には関連性がない」という見解を示しています。
ただ、チョコレートに限らず、糖質や脂質の過剰摂取は皮脂の過剰分泌を起こす原因であり、特に糖質はコラーゲンと結びつきやすいため、毛穴を詰まりやすくする側面もあります。また、最近のお菓子には食品添加物が含まれているものが多いため、この食品添加物も肌の炎症を悪化させる原因と考えられています。つまり、チョコレートというよりは、脂質や糖質の過剰摂取や添加物の影響によってニキビが発生する可能性はあります。
ビールやカクテルなどのアルコール類は、皮脂腺を刺激し、ニキビをできやすくすると言われています。また、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインも、ニキビを改善するビタミンB群の吸収を阻害するだけでなく、不眠などの生活習慣の乱れを引き起こす恐れがあるため、結果的にニキビを発生しやすくなる飲み物と言えます。「ニキビが気になるけれどコーヒはやめられない」という方であれば、比較的カフェインの少ないドリップコーヒーを飲むようにしましょう。
ニキビに効く食べ物としては、以下のものがおすすめです。
ほうれん草やレバーにはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは肌の新陳代謝のサイクルを正常化させる作用があるとされます。
豚肉、ニンニク、ごまなどに含まれるビタミンB群は、ニキビ予防の心強い味方です。ビタミンB2はアクネ菌のエサとなる皮脂の過剰分泌を抑制し、ビタミンB6は肌のターンオーバーを促進して、ニキビ跡の色素沈着を予防する効果があると言われます。
パプリカ、芽キャベツ、ブロッコリーなどの野菜や果物に豊富に含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を促進する作用があり、ニキビ跡のケアや色素沈着を予防する効果があるとされます。
アーモンド、たらこ、しそ、いくらなどにはビタミンEが豊富です。ビタミンEは美肌ビタミンとも呼ばれ、ホルモンバランスを整えてニキビのできにくい肌質にする効果があるとされます。
肌に栄養素を届けるには、腸を綺麗にすることも非常に重要です。ごぼう、豆類、きのこ類、海藻類などの食物繊維が豊富な食べ物は、腸内環境を整える効果があると言われます。
レバー、牡蠣、たらこ、イワシなどに含まれる亜鉛は新陳代謝に関連し、肌のターンオーバーを促進すると言われます。また、肌の炎症を抑制する効果も期待されます。
ニキビの発生と食べ物の関連性は明確にはなっていませんが、糖分・油分の多い食べ物はニキビの発生と関係があることが一部の研究では分かってきています。そのため、ニキビを改善するには野菜を中心とした健康的な食事をすることが有効です。ただし、食生活はニキビの原因の一要因に過ぎません。食生活だけでなく、スキンケアの方法や化粧の仕方の改善も含めたトータルなニキビ対策をしましょう。