記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
前回の記事では、てんかんの治療と治療薬についてお伝えしました。てんかんの治療薬にはたくさんの種類のものがあります。
今回の記事では、てんかんの治療薬や副作用について詳しくまとめています。
ジェネリック医薬品も含め、てんかんの治療には、さまざまな薬が使われています。ただし、てんかんの治療薬の中でも「抗けいれん剤」については、医師が慎重に選ぶ必要があるとされる薬とされています。
現状ではメーカーの抗けいれん薬を使い医師のほうが多いですが、費用面のこともありジェネリック薬に移行しつつあるようです。服用してみて、望むような効果がみられない場合は、医師にメーカーの薬に切り替えてもらえないか相談しましょう。
てんかんの治療に使われる治療薬として、以下のようなものがあります。
・カルバマゼピン
・ジアゼパム
・エトスクシミド
・ガバペンチン
・ラモトリギン
・レベチラセタム
・フェノバルビタール
・フェニトイン
・プリミドン
・トピラマート
・バルプロ酸塩、バルプロ酸
・ゾニサミド
どの薬を選ぶかは、患者の副作用への耐性や他の疾患などの要因に基づいて決めます。
一般的に、薬を服用すると約70%の患者が発作を抑えることができるといわれています。
抗けいれん薬の副作用のほとんどは、疲労、めまい、体重増加といった比較的小さいものですが、気分や情緒にさまざまな影響を及ぼす場合があり、たとえば、うつ病を悪化させるものもあれば、うつ病を改善するものや気分を安定させるものもあります。
また、アレルギー反応や肝機能障害、皮疹など、重度で生命を脅かす反応が起こる可能性があります。
抗けいれん薬は、他の多くの薬と相互作用を起こすことがあり、他の内服薬との相互作用について確認が必要です。肝臓に他の薬の代謝を促進させたり、他の薬の有効性を低下させたりすることがあります。
年齢とともに、薬の作用に敏感になることがあるので、用量調節が必要かどうかを確認するために、血液中の薬の濃度をときどきチェックする必要があるかもしれません。
副作用は、用量、薬の種類、治療期間に左右されます。用量が多いと副作用が起こりやすいですが、体が薬に慣れてくると、時間とともに副作用が軽くなることが多いようです。
副作用には3つのタイプがあります。
これらは、中枢神経系に影響を及ぼすあらゆるてんかん薬で起こる、一般的な副作用です。視界がぼやけたり、ものが二重に見えたり、疲労感、眠気、精神の不安定、胃の不調などが起こります。
これらは稀に起こる反応であり、予想できないことがほとんどです。皮膚の発疹、血球数の低下、肝臓疾患などが起こります。
てんかん治療薬の固有の副作用です。たとえば、バルプロ酸は脱毛や体重増加の原因となることがあります。
薬を処方してもらう前に、医師に副作用についてしっかり確認しましょう。
今まで見てきたように、てんかんの治療薬にはさまざまなものがあります。
治療で服用する薬は、医師の指示によりますが、効果や服用のしかた、気になる副作用についてなどは、医師に確認しましょう。