コンタクトレンズの使い方の基本 ― 必ず守って欲しい注意点について

2025/4/30

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

カラーレンズやサークルレンズが普及したことで、コンタクトレンズはかなり身近になった印象があります。一方で、身近になったことで使い方が雑になり、不適切な使用方法が原因で起こる目のトラブルも増えているといわれています。この記事では、初めての人も慣れている人も気をつけて欲しいコンタクトレンズを使うときの注意点について解説していきます。

コンタクトレンズ使用時の注意点

コンタクトレンズの使用方法・お手入れの方法は製品ごとで違います。必ず説明書を確認し、その指示を守りましょう。また、医師から使用方法について指導された場合も、必ず指導を守ってください。コンタクトレンズの使用時の基本的な注意点として、以下が挙げられます。

  • コンタクトレンズを扱う前に、石けん・ハンドソープを使って手を洗う。手を洗った後は、完全に乾いた状態になってからコンタクトレンズに触る
  • 目に痛みがある、炎症で赤くなっているなど、目に異常がある場合は、コンタクトレンズを使用しない
  • コンタクトレンズの使用時に問題・違和感が生じた場合は、すぐに使用を止め、早めに眼科を受診する
  • 推奨の装用時間・使用期限を超えてコンタクトレンズを使用しない
  • コンタクトレンズをつけたまま睡眠をとらない
  • コンタクトレンズを舐めない
  • 海・プールで泳ぐときにコンタクトレンズを使用しない
  • お風呂・サウナに入るときも、基本的にはコンタクトレンズを使用しない
  • コンタクトレンズの破損・汚れ・傷などに気づいたら、すぐに使用を止める
  • 他人が使用したコンタクトレンズを使用しない。他の人とコンタクトレンズを貸し借りしない
  • すすぎ液や保存液に水道水を使用しない。必ず適切な洗浄液・すすぎ液・保存液を使用する
  • 保存液・消毒液は必ず毎回交換し、つぎ足しをしない
  • 使用時に違和感があった場合に備えて、箱・購入履歴など、コンタクトレンズの情報がわかるものを保管しておく
  • コンタクトを使用する場合は、眼科で定期的に診察を受ける

もし、「目に痛みや不快感がある」「目が赤くなっている」「目が腫れている」「コンタクトレンズをつけてもよく見えない」など、コンタクトの使用中に目の異常を感じた場合は、すぐに眼科を受診して医師に相談してください。

コンタクトレンズの種類別で気をつけたい注意点

コンタクトレンズには、繰り返し使用することができる「長期使用タイプ」と1day・1week・2week・1monthごとに交換する「使い捨てタイプ」があります。それぞれ説明書の指示を守って使用することが基本になりますが、とくに問題が起こりやすい注意点として以下が挙げられます。

「長期使用タイプ」の注意点

  • 洗浄など、毎日コンタクトレンズのケアを行い、定期的なタンパク除去も行う
  • 洗浄液・保存液は必ず毎回新しいものに交換する
  • 適切な方法で洗浄・保存をする
  • 保存・洗浄用の容器も清潔を保つようにし、必要に応じて定期的に買い替える
  • 長期使用タイプにも寿命がある。寿命を超えたら交換する

「使い捨てタイプ」の注意点

  • 1dayの使い捨てコンタクトレンズを再装用しない。使用後は必ず処分する
  • 1week・2week・1monthの使い捨てコンタクトレンズは、毎日のケアを必ず行う
  • 装用時間や使用期限を超えて使用しない。未開封でも、使用期限を超えたものは使用しない

おわりに:慣れてきたときにトラブルが起こりやすい。適切な使用方法を必ず守ろう

コンタクトレンズを安全に使用するには、説明書の指示や医師の指導を守り、適切な方法で使用することが大切です。推奨の使用時間・使用期限を超えて装用したり、適切に洗浄・保存しなかったり、1dayの使い捨てコンタクトレンズを再装用したりするなど、不適切な方法で使用すると、深刻な目のトラブル・病気を引き起こす恐れもあります。最初のうちは適切に使用していても、慣れてくるとおろそかになりがちです。コンタクトレンズは、必ず適切な使用方法を守り、定期的に眼科を受診して目の健康状態をチェックしましょう。

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