記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
テレビなどで、てんかんの発作を起こした人を見たことはあるでしょうか。また身近にてんかんのある人はいますか?
てんかんとは常に発作を起こす可能性があり、てんかん発作にはさまざまな状態があります。
この記事では、てんかんについてまとめてあります。子供にも多く、いつ発症するかはわかりません。この記事を読んで、思い当たることがあれば、医師に相談しましょう。
てんかんは、脳に影響を及ぼし、反復性の発作を起こす状態です。てんかん患者は、1000人に5人~8人(日本全体で60万~100万人)いるといわれています。
【厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_epilepsy.html】
脳内にある神経細胞(ニューロン)は、電気信号と神経伝達物質を用いて脳内で互いにやりとりを行います。
てんかん発作は、異常な脳の反応や体の動きを引き起こす要因となる「過剰な電気活動」によって起こります。
意識を失うことなく単に奇妙な感覚を経験する場合や数秒または数分間反応がない状態になる場合、意識を失ったり、激しく痙攣したりするなど、発作の内容は人によって異なり、重症度も個人個人で変わってきます。
どの年齢であっても、てんかんになる可能性がありますが、ほとんどの場合、小児期に始まります。
てんかんとは、通常、24時間を隔てて、少なくとも2回以上の発作がなければ、てんかんとはみなされません。
てんかんは、脳卒中、脳腫瘍および重度の頭部外傷によって起こることもあります。また、両親から遺伝で発症するケースもあります。一部の症例では、脳の損傷に関連して発作が起こっているにもかかわらず、原因を特定できないことがあります。
てんかんと診断された患者の大多数は、薬物療法で発作をコントロールできます。
20種類以上の薬物療法と、さまざまな食事療法や外科技術が利用可能になったことで、発作を良好にコントロールできるようになりました。また、進歩した神経画像検査により、手術で治療可能な脳の異常を特定することが可能になっています。
発作が時間の経過と共に減少したりなくなったりすることもあり、最終的に発作を起こさなくなる人もいます。てんかんが小児期に始まり、投薬によって発作がコントロールされている場合、または発作の原因となる脳の部分を除去する手術を受けている場合には、発作が起こらなくなる可能性は高いでしょう。
しかし、30〜40%のてんかん患者は、完全に発作をコントロールすることができず、発作が起こり続けます(難治性または薬物耐性てんかんと呼ばれます)。
てんかんは、発作が複数回起こった後に診断されるのが一般的です。多くの人が生涯に一度限りのてんかん発作を起こすからです。
診断を行うために必要な情報は、発作の内容と検査結果です。検査は、脳のどの領域が影響を受けているのかを調べ、潜在的な原因を探すのに効果的です。
てんかんの症状は、人によって異なります。できるだけ発作を起こさないようにするためには、定期的な運動、十分な睡眠、バランスのとれた食事と過度の飲酒を控えることなどが大切です。
てんかんの発作はいつ起こるかわからないため、通常は発作を起こさないように薬などでコントロールしています。この治療は医師の指導のもと行えば、それほど恐いものではありません。もしも、周囲の人や子供にてんかんの可能性があると思ったら、病院を受診するように薦めましょう。