記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/19 記事改定日: 2019/8/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高齢者の健康を保つためには、運動の習慣が大切です。今回は65歳以上の高齢者が健康を維持、改善するために必要な運動方法と運動量の目安をまとめました。
健康を維持したり改善するために、運動量を制限せざるを得ないような病気などを抱えていない健康な65歳以上の高齢者は、日ごろから活動的になるようにしましょう。
推奨されている運動は以下のとおりです。
サイクリングやウォーキングなどの軽めの有酸素運動を週に最低150分以上行い、主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)の全てを、できれば週に2日以上鍛えましょう。
軽めの有酸素運動は、座っている時間をなるべく短くすることが主な目的です。
座っている時間が長いと、病気になるリスクが高くなるといわれています。
また、脚が弱い、平衡感覚が悪い、病気であるなど、転倒の危険を伴う高齢者にとっては、バランス感覚を養う運動としても役立ちます。
サイクリングやウォーキング以外では、ヨガ、太極拳、ゆるめのダンスなどがあります。
激しい有酸素運動を週に75分行い、主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)全てを週に2日以上鍛えましょう。
一般的に、75分間の激しい運動は150分間の中程度の運動と同様の効果をもたらすといわれています。
激しい有酸素運動をすると、呼吸が速くなって心拍数がかなり上がります。息が切れてしまい会話も少ししかできない状態が激しい有酸素運動の目安と考えましょう。
1週間の中で、中程度の有酸素運動と激しい有酸素運動を組み合わましょう(例えば、30分間のランニング2回と30分間の早歩きは、中程度の有酸素運動150分に相当する)。主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)全てを週に2日以上鍛えましょう。
買い物、料理などの日常的な家事は、中程度の有酸素運動には入りません。
中程度の有酸素運動では、心拍数が上がり、呼吸が少し速くなり、体がぽかぽかしてきます。話すことはできても歌を歌うことができないというのを目安にしてもいいでしょう。
高齢者も、健康を維持するには適度な運動が必要です。しかし、高齢者は反射神経や動体視力などが衰えているため、運動中に転倒などをして思わぬ怪我をすることがあります。また、心肺機能も低下しており、足腰も痛めやすいため運動する際には次のようなことに注意しましょう。
高齢者は適切な運動に取り組み、座りっぱなしで過ごす時間をできるだけ少なくすることで健康の維持・改善を目指せます。
ただし、持病がある人は特別なメニューが必要になることもありますので、自己判断で行わず必ず担当医に許可をもらってから運動をとり入れましょう。