記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/7/3
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
検眼医専門学校の検眼アドバイザーであるスーザン・ブラケニー博士は次のように警告しています。
「目の怪我は非常に痛みを伴いますし、角膜はわずか0.5 mmの薄さなので、目は非常に傷つきやすい。あなたが今やろうとしていることは、本当に安全ですか? リスクがないか、もう一度自分に問いかけてください」。
では、目の怪我を予防するため、日常生活でどのようなことに気をつければよいでしょうか? ブラケニー博士のアドバイスをご紹介していきます(以下、カッコ内は博士の言葉)。
「庭で目を傷つけることはかなり一般的です。例えば、庭の柵で目を傷つけてしまい、重度の角膜損傷をおってしまうこともあります。」と博士は言います。
他にも、以下のような脅威があります。
・枝:目の高さにある枝に注意する
・土:細かい粒子が目に入らないように顔を近づけない
・池の水:水や土には、角膜潰瘍の原因となるアカントアメーバと呼ばれる虫がいることがあるため目に入らないように注意する
また、サングラスを含むあらゆる種類の眼鏡は、庭仕事の際に目を保護してくれる簡単な道具であり、その使用が推奨される。
どんな時でも太陽を直視してはいけません。
「日食などで、つい太陽を直接見てしまう機会があるかと思いますが、これは日光網膜症を引き起こすことがあります。太陽光は非常に強く、目の奥に永久的な傷を残してしまう可能性があります。」
薬品による火傷も、目を傷つけてしまう原因の一つです。家庭で使用される、除草剤、植物スプレー、苛性ソーダ、漂白剤などに化学物質が使われています。
それらがはねて目に入ってしまった場合、たくさんの液体でできるだけ早く徹底的に洗い流さなければなりません。
洗い流すのに以下を使用することを推奨します。
・洗眼剤:これは救急箱に常に入れておくとよいでしょう
・コンタクトレンズの洗浄液:コンタクトレンズを使用していない場合、友人から少しもらってください
・冷たい水道水:水が新鮮になるまで数秒間水を出してから使ってください
動いている物体が目にぶつかることは、目の事故のもうひとつの原因です。「スポーツ中はこの危険性が特に高い。」と博士は言います。運動中はスポーツ用安全眼鏡を着用することをお勧めします。
また、「泳ぐときは、コンタクトレンズの装用は避けるように」と博士は協調しています。目が敏感であれば、ゴーグルを着用してください。定期的に泳ぐ人で、普段眼鏡をかけている場合は、度の入ったゴーグルもあります。
サイクリングの際にも、道路の破損による怪我を避けるため、また、ほこりなどが目に入らないように、サイクリング用の保護眼鏡をつけることが推奨されています。
「目の疾患に対してパソコンの使用が原因となっている患者が多い」と博士は言います。パソコンの使用が目に永続的な損傷を引き起こすことはありませんが、長時間使用すると目を緊張させたり、既存の症状を悪化させたりする可能性があります。症状には、目の不快感、かゆみ、疲れ、ドライアイ、頭痛などがあります。
パソコンで作業をする場合は、意識的に目を休めるようにしましょう。定期的に遠くを見てください。例えば、考えている時には窓の外を眺めてみてください。また、定期的に休憩を取り、目を休ませましょう。眼科に定期検査に行き、頻繁にパソコンを使用することを伝えてください。
明るい場所で作業するようにしてください。パソコンを使う際は、画面に部屋の照明が反射しないようにしてください。目の緊張や頭痛の原因となります。
目に問題が起きても、痛くなることはめったにないので、つい放置してしまいがちです。
視力検査は、新しく眼鏡が必要かどうかや新しい処方箋がいるからという理由だけで受けるわけではありません。目の健康をチェックするためにも重要な検査です。
視力検査では、目の健康状態や、目の病気を早期に発見することができます。たいていの目の病気は、早く発見できれば完治させることができます。
当たり前に使っている“目”ですが、大切にケアしながら一生使っていかないといけない器官のひとつです。
日常生活の中に潜む危険を知って注意するとともに、“目の健康状態を知るために”定期的に眼科にかかりましょう。