記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
自分も通ってきた道なのに、いざ自分の子供が思春期となったときにどう接すればいいのか、悩むことが増えますよね。
ましてや性教育となったら、何をどのように話せばよいのかとまどってしまう人が多いでしょう。
今回は、とくに思春期の子供に対して、性教育として何を話せばよいのかをまとめてみました。
毎年、10代で妊娠したり、性感染症を発症する子供がいます。こうしたことに関して子供と話すときにテレてしまったりするかもしれませんが、性に奔放すぎることのリスクと責任については、しっかりと子供に伝える必要があります。
学校での性教育には頼らないでください。保護者には、子供が愛や尊さの観点から性を理解できるようサポートし、妊娠や病気から子供を守る重要な役目があるのです。
・年齢に合った情報を提供しましょう。小さな子供の場合は、セックスに関する質問に対して回答し、一定年齢以上の子どもには性感染症や性に奔放になったときのリスクと、リスクを最小限に抑える方法を伝えます。子供が性に興味がなさそうでも、話すことが重要です。
・セックスに関して、家族としての価値観、意見、期待を子供に正直に話しましょう。何を話すかについては、医師に相談してみるのもよいでしょう。
・学校、テレビ、または映画で受ける性的なメッセージについて考え、話し合い、質問を促してみましょう。
・心を開くことが大切です。子供が保護者の反応を恐れていたり、信頼が持てなかったり、性に関する問題について話すことを心配している場合は、話し合う機会を得る可能性が低くなります。
早い段階から子供に、自分自身の身体について教育しておいてください。性器やその周辺など、身体の「デリケートな部分」はプライベート・ゾーン(私的部分)であり、他の誰にも触られてはいけないところである、ということを子供に教えてください。
虐待を受ける子供が、自分に何が起きているのかを理解できていない、というケースはしばしば見られますから、どんなことが適切で、どんなことが不適切なのか、子供がきちんと理解できるよう、性教育は早い段階で始めるほうが良いでしょう。
多くの子供が、大人に歯向かうことに対して恐怖感を抱いています。もし大人が、自分が不快になることをしてきたり、恐がらせてきたり、あるいは(その大人に対して面識があるのかないのかに関わらず)不適切なやり方で身体に触れてきた場合には、それに対して嫌だとはっきり言う権利があり、叫んで助けを求めることができることを子供に教えておくことは重要です。
そして、もしそのようなことがあった場合、すぐにその人から離れ、保護者のところに来て話すよう、伝えてください。
初潮に関して女の子供と話す場合は、面と向かってきちんと話すより、少しずつ継続的に話すことをおすすめします。
きっかけとしては、例えばタンポンのテレビ広告や、スーパーマーケットでナプキンを購入したりする機会を使ってもいいでしょう。あるいはシンプルに、子供に知っているかどうかを尋ねて一緒に買いに行ってもよいでしょう。
もし不快感があっても、できる限り「腟」のような明確な言葉を使用してください。生理はまったく正常で、自然なことだということを強調し、成長の過程であり、すべての女性がなるものであることを伝えましょう。
そして、少年もまた、生理について学ぶ必要があります。女の子に話したときと同じように、生理とともに起きる気分の変化、背景にある生物学的な理由を伝えてください。これは知識としてだけでなく、女の子が毎月体験していることを心から理解することに役立ちます。
また、初潮が始まるということは、彼女は「もう妊娠できる状態である」ということです。妊娠と避妊について学ぶことも重要です。
どうしても親がとまどってしまう子供の思春期。しかし、どちらかといえば、子供の方が心と体の急激な変化にとまどっているはずです。
必要なときに傍らにいて成長をサポートするとともに、タイミングを見ながら今回お話したような知識を子供に伝えてあげるようにしましょう。