記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
乳がんは、定期的な健診がとても重要になりますが、日ごろから乳房のしこりをチェックして、変化に早く気づけるようにすることが重要になってきます。
この記事では、乳がんの早期発見に備えた「乳房のしこりのセルフチェック」の方法と、乳房のしこりの原因について解説しています。
乳がんには一般的に痛みはなく、自覚症状は「胸のしこり」です。これは、乳がんがかたまりとなって皮膚の上から触れるもので、早期であっても注意深く観察すれば判別することができます。次のような方法でこまめにセルフチェックを行って、早期発見につなげましょう。
まず、乳房はホルモンバランスの変化によって生理中に大きくなるため、この時期には小さなしこりが分かりにくくなります。セルフチェックは生理終了後一週間で行うのがよいでしょう。
しこりは仰向けに寝た状態がわかりやすいです。片腕を上げ、上げた側の乳房全体を親指の腹で押し、しこりがないかを満遍なくチェックします。また、同時に脇の下にもしこりがないかを調べましょう。
また、乳がんのしこりができると、乳房の左右差やえくぼのようなくぼみができるため、入浴時などに両腕を高く上げた状態で乳房に左右差がないか、くぼみがないかを観察するのもよい方法です。
まずはかかりつけ医に相談し、乳房のしこりの状態を確認してもらいましょう。
乳房に1つまたは複数の場所にしこりがある場合、より詳しい検査が行われます。
マンモグラフィーは乳房の特殊なX線撮影です。
通常50歳から2年ごとに行います。50歳未満の場合は、家族歴を含む乳がんの危険因子について医師に相談し、マンモグラフィー検査が適切かどうかを判断してください。
痛みを伴わない検査で、音波を使ってしこりを撮影します。
この検査では、一部の組織を乳房から取り出し、顕微鏡下で検査します。
乳房のしこりといえば、乳がんを思い浮かべる人が多いですが、実は乳房のしこりは良性のものが90%を占めており、乳がんは比較的稀な病気であるといえます。
このため、セルフチェックでしこりを発見したら、まずは病院へ行ってエコー検査や病理検査などを行い、正しい診断を受けることが必要です。
乳房にできる良性のしこりには次のようなものがあります。
乳房にできるしこりは良性のものがほとんどです。しかし、乳がんの可能性がないわけではありません。
他のすべてのがんと同じように、乳がんも早期発見すれば治療がとても簡単になり、より効果を発揮します。
自分でしこりを見つけたら、1日も早く医師にかかり検査してもらいましょう。