乳房のしこりは乳がん!?セルフチェックで早期発見に備えよう!

2017/7/6 記事改定日: 2018/6/19
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

乳がんは、定期的な健診がとても重要になりますが、日ごろから乳房のしこりをチェックして、変化に早く気づけるようにすることが重要になってきます。
この記事では、乳がんの早期発見に備えた「乳房のしこりのセルフチェック」の方法と、乳房のしこりの原因について解説しています。

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乳がんの早期発見に備えて、乳房のしこりをチェックしてみよう

乳がんには一般的に痛みはなく、自覚症状は「胸のしこり」です。これは、乳がんがかたまりとなって皮膚の上から触れるもので、早期であっても注意深く観察すれば判別することができます。次のような方法でこまめにセルフチェックを行って、早期発見につなげましょう。
まず、乳房はホルモンバランスの変化によって生理中に大きくなるため、この時期には小さなしこりが分かりにくくなります。セルフチェックは生理終了後一週間で行うのがよいでしょう。
しこりは仰向けに寝た状態がわかりやすいです。片腕を上げ、上げた側の乳房全体を親指の腹で押し、しこりがないかを満遍なくチェックします。また、同時に脇の下にもしこりがないかを調べましょう。
また、乳がんのしこりができると、乳房の左右差やえくぼのようなくぼみができるため、入浴時などに両腕を高く上げた状態で乳房に左右差がないか、くぼみがないかを観察するのもよい方法です。

しこりが見つかったら、すぐに乳がんかどうかを検査しよう

まずはかかりつけ医に相談し、乳房のしこりの状態を確認してもらいましょう。
乳房に1つまたは複数の場所にしこりがある場合、より詳しい検査が行われます。

マンモグラフィー

マンモグラフィーは乳房の特殊なX線撮影です。
通常50歳から2年ごとに行います。50歳未満の場合は、家族歴を含む乳がんの危険因子について医師に相談し、マンモグラフィー検査が適切かどうかを判断してください。

超音波検査(エコー)

痛みを伴わない検査で、音波を使ってしこりを撮影します。

乳房生検

この検査では、一部の組織を乳房から取り出し、顕微鏡下で検査します。

乳がんではなく、良性のしこりの場合も

乳房のしこりといえば、乳がんを思い浮かべる人が多いですが、実は乳房のしこりは良性のものが90%を占めており、乳がんは比較的稀な病気であるといえます。
このため、セルフチェックでしこりを発見したら、まずは病院へ行ってエコー検査や病理検査などを行い、正しい診断を受けることが必要です。
乳房にできる良性のしこりには次のようなものがあります。

① 乳腺症
女性ホルモンが多く分泌されることで、乳腺の一部が発達し、それがしこりとして触れるものです。乳がんのしこりが固く、コロコロ動かしても移動しないのに対し、乳腺症のしこりは可動性があるのが特徴です。
生理前に痛くなることもありますが、多くは治療は必要ありません。
② 授乳時の乳腺炎
乳腺に母乳がつまることで、しこりができることがあります。乳房マッサージをすれば多くは改善しますが、乳頭から細菌感染を生じると乳房の腫れや発赤、強い痛みを生じ、高熱が出ることもあります。
③ 葉状腫瘍
急激に大きくなり、デコボコとしたしこりができます。多くは良性ですが、中には悪性のものもあり、取り除く手術を行うのが一般的です。
④ 乳腺線維腺腫
若い女性に多く見られる良性のしこりです。可動性があり、痛みがないのが特徴で、治療の必要がないことがほとんどです。

おわりに:乳房のしこりは、乳がんとは限らないが、検査を受けておいた方がいい

乳房にできるしこりは良性のものがほとんどです。しかし、乳がんの可能性がないわけではありません。
他のすべてのがんと同じように、乳がんも早期発見すれば治療がとても簡単になり、より効果を発揮します。
自分でしこりを見つけたら、1日も早く医師にかかり検査してもらいましょう。

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