記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ケガや病気ではないのに、子供が頭痛を訴えることはないでしょうか。発達途上の子供の心身は大人と異なるため、頭痛の原因も別のところにある場合も少なくありません。ご自身の家庭環境をふりかえりながら、子供の頭痛の理由を考えていきましょう。
ほとんどの幼児や子供は、少なくとも年1度は頭痛に見舞われるといわれています。子供の頭痛は大人の場合と異なることがいくつかあるため、親や医師が気づけないケースも多いです。偏頭痛を含め、子供の頭痛は症状が現れるまでの時間が大人比べはるかに短い傾向があり、急に頭痛が起こってたちまち元気がなくなり、胃にも影響して吐き気や嘔吐をもよおしてしまうことがあるのです。いっぽうで回復も極めて早いことが多く、30分たらずで気分がよくなって何事もなかったかのように外で遊んでいるようなことも少なくありません。
規則正しい生活習慣であれば、子供の頭痛はめったに起こることはありません。昼食を抜いたり、水分が不足してしまうと、子供の体調は崩れがちになります。運動をするときも、脱水と血糖の影響で頭痛を引き起こすことがありますので注意しましょう。十分な食事と飲み物を用意し、決まった時間の睡眠を取らせ、健康的な生活習慣を身につけさせることが、子供の頭痛を防ぐ一番の手立てとされています。
子供の頭痛は、感情的なトラブルによって生じてしまうことも多いです。学校でのいじめや両親の離婚といった、ストレスが主な原因として挙げられます。親が思う以上に子供の心はデリケートなものです。大人にとっては他愛のないことでも、深刻な悩みとしてそれが頭痛となっていることもあるでしょう。
そこで、子供の頭痛について日記をつけてみるのがおすすめです。子供自身に書かせてもよいでしょう。頭痛が起きたときの身のまわりの出来事や気持ちなどを明確にすることで、特定の頭痛の原因を知る手がかりになる可能性があります。親子で解決していくための有効なツールとして活用しましょう。
大人と同様、頭痛そのものは深刻な問題ではありません。市販の治療薬を飲ませ、十分な食事と睡眠を確保できれば自然と回復します。それでも気がかりであれば、ためらわずに医師や薬剤師に相談しましょう。頭痛薬を服用しても痛みが治まらない場合や学校生活に支障をきたしているような場合は早急に対処してください。
自宅でできる子供の頭痛ケアの方法には下記のものがあります。
・静かな部屋で安静にさせる
・濡れたタオルや湿布で額を冷やす
・ゆっくり深呼吸させる
・睡眠をとるよう促す
・食べたり飲んだりすることをすすめる(ただし、カフェインを含む飲み物を除く)
子供と十分にコミュニケーションが取れているでしょうか。子供の頭痛は症状の対処以上に、その原因を把握し、解消していくことが重要になってきます。気持ちを打ち明けることをためらったりしているときは、注意深く様子をうかがってみましょう。常に子供の気持ちに寄り添い、一緒にすごしていくことが、何よりの特効薬となるのです。