記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ずーんとした鈍い痛みから刺すような鋭い痛みまで、実にさまざまな症状で多くの人たちを苦しめる「腰痛」。
若い頃はまるきり無縁だったのに、いったい何がきっかけで腰痛になってしまったのでしょうか?
腰痛を引き起こす原因を一挙にご紹介します!
何かを持ち上げたり、引っ張ったり、あるいは背骨をねじる動きをするような仕事の場合、それが原因で腰痛が起きているのかもしれません。また、1日中デスクに座っているような仕事も腰痛の原因となることがあります。特に椅子が自分に合っていなかったり、姿勢が前かがみになりがちな人は腰痛が起こりやすくなります。
ジムやゴルフなどの運動しすぎで筋肉が過度に拡張することも、腰痛のよくある原因です。特に、仕事中はあまり動かず、仕事が休みのときに何時間もジムで運動するというような人に起こりやすい傾向があります。
姿勢の悪さも腰痛の原因のひとつです。本来背中は、前かがみになっていないときに体重を支えやすいようにできています。座るときは、腰にランバーサポートを当て、足を低い踏み台に乗せてまっすぐ座るようにしましょう。立っているときは、両足に等しく体重を乗せるよう意識しましょう。
腰痛は年をとればとるほどよく見られる症状です。30~40歳くらいで初めて腰痛が起こる人も少なくありません。
体重があまりにも重いと背中が圧迫され、腰痛になることがあります。
強直性脊椎炎(脊椎に影響を及ぼす関節炎)などの遺伝性の病気が原因で腰痛になる人もいます。
喫煙していると背中の椎間板に十分な栄養が届かず、咳をするだけで腰痛が引き起こされることがあります。また、喫煙者は病気の治りが遅いので、腰痛が長引く可能性もあります。
以下のような慢性的な病気が原因で腰痛が生じることがあります。
・脊椎管狭窄症
脊髄の周りの空間が狭くなる症状ですが、これにより脊髄神経が圧迫され、腰痛になることがあります。
・脊椎炎
脊椎の重度の炎症のために、慢性的な腰背部の痛みや肩こりが起こることがあります。
・線維筋痛
腰背部など広範囲に及んで筋肉の痛みが発生します。
・肉離れ
重いものを持ち上げた後やあまりにも激しい運動をした後に起こる腰痛は、肉離れが原因の可能性があります。
・坐骨神経痛
突き出ていたり破裂している椎間板によって坐骨神経が圧迫され、腰痛が発生することがあります。坐骨神経痛の場合、痛みは臀部から片方の脚まで及ぶかもしれません。
・関節炎
・腎臓結石
・子宮内膜症
・線維筋痛
その他、下記の原因によっても腰痛が引き起こされることがあります。
・捻挫や骨折、事故や転倒による怪我
・妊娠
・感染症
・ストレス
腰痛でお悩みの人はたくさんいるにもかかわらず、その大多数が湿布や整体などの応急処置で済ませてしまっているのは、かなり勿体ないことです。ツラい腰痛と決別するには「何が原因で腰痛が引き起こされているのか」を知り、根本的に対処していくことが重要ですよ!