記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腰痛がひどいときは、体を動かさないほうがよいと思われがちです。
しかし、痛みの程度にもよりますが、腰や背中に負荷をかけない運動は、したほうがよいとされるケースもあります。
特にヨガやストレッチは、腰痛や肩こりの解消に効果があるといわれています。この記事では、ヨガの腰痛への効果を示す実験についてまとめています。
腰痛は、もっとも一般的な、職業に関連した病気であり、場合によっては仕事を失う原因となることもあります。
腰痛治療にはさまざまなものがありますが、慢性的な腰痛に効果があると証明されているものはありませんでした。
ヨガは古代インド哲学に基づき作られたもので、およそ2000年の歴史があるとされます。いろいろなポーズをとりながら、呼吸法、瞑想、リラクゼーションを複合させ、心と体を統合する目的のため行われてきました。
腰痛の改善には他の運動よりもヨガが効果的であると考えている人たちもいます。ヨガが腰痛に効くということは完全に証明されたわけではありませんが、ある研究ではヨガのレッスンや集中ストレッチのレッスンに毎週通うことで、腰痛が和らぎ、背中の動きが改善したと報告されています。
どちらも、セルフケアで行うよりも教室に通うほうが効果があり、その効果は終わってからも6~7ヶ月間続いていたという結果が出ています。
この研究は、成人228人に対し臨床実験を行ったものであり、実験に参加した人は、全員が最低でも3ヶ月継続した中度の腰痛を持った人たちです。
被験者たちはランダムに3つのグループに振り分けられました。
1.12週間の間、毎週75時間のヨガのレッスン受けるグループ(92人の参加者)
2.理学療法士の資格を持つ人が率いるストレッチのレッスンを受けるグループ(91人の参加者)
3.レッスンに参加せず、腰痛の原因とお勧めのエクササイズ、ライフスタイルの変更など、腰痛を緩和するために書かれたセルフケア本を受け取っただけのグループ(45人)
※1と2のグループは、レッスンのない日でも、最低20分間は家でヨガもしくはストレッチの練習をするように指示されています。
3ヶ月後、ヨガを行っていたグループはセルフケアをしたグループよりも腰痛が緩和されており、その効果は半年後も続いていたという結果が出ました。また、ストレッチを行ったグループも、ヨガのグループと同様の効果が出ていました。
ヨガとストレッチをしたグループの人たちからは、腰痛を和らげるための薬の使用が減り、背中の機能がよくなり、自宅で行っていたときにも、腰痛が和らいだという感想が出ています。中には完全に腰痛がなくなったという声もあったほどです。
研究結果では、ヨガもストレッチも効果的であることが示されています。この結果がヨガの効果を完全に証明しているわけではありませんが、適度な運動で腰痛を和らげたいと思う人には、ヨガとストレッチはおすすめといえるかもしれません。
ただし、肉体的な限界に合わせたポーズやストレッチを指導できるインストラクターにレッスンしてもらうことが重要です。
腰痛でツライ思いをしている方は、ヨガを試してみることをおすすめします。
ただし、自己判断で行うと腰痛を悪化させる可能性があります。腰痛対策としてヨガを取り入れるときは医師に確認してから行うようにしましょう。
また、インストラクターに相談しながら、腰痛の程度にあわせたポーズをとることが重要です。腰痛の人の指導に豊富な知識と経験を持つインストラクターにレッスンをお願いするようにしましょう。