記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/6 記事改定日: 2018/6/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
うつ病の入院治療と聞いて、ポジティブなイメージを持つ人はあまりいないかもしれませんね。でも、入院治療のおかげでうつ病から回復した例もあり、期待できる効果がたくさんあることをご存知でしょうか。
この記事では、うつ病の入院治療について、体験談も交えながら詳しく解説していきます。
この体験談から考えると、回復のために大事なのは薬をきちんと服用することということがわかります。
あとは
が大切と気づけるのではないでしょうか。
体験談で精神科の入院治療に対するネガティブなイメージが和らいだのではないでしょうか。前もって治療内容を知っておくことで、ある程度不安が解消できるかもしれません。
下記で精神科で行われる治療の実態を解説していくので、事前知識として覚えておきましょう。
統合失調症やうつ病などは、幼い頃の心の傷が大きな原因になっているケースや、神経伝達物質のバランスの乱れから生物的変化が起こっているケース、遺伝や環境が絡んでいるケースなど、様々な要因によって引き起こされると考えられています。
しかし、精神病は決して治らない病気ではありません。妄想や興奮といった症状についても、体の病気と同じように薬物療法で抑えることが可能です。
多くの人がイメージするようにカウンセリングにも注力していますが、精神科の薬がたくさん開発されてきた背景もあり、1950年代以降は薬物療法・精神療法(カウンセリングを含む)・医療器具を使う治療など、様々な治療が行われています。たとえば、うつ病は投薬治療をする場合が多いですし、最近ではパニック障害の薬物治療も広く認められるようになってきています。
病気の種類や症状の程度によって異なりますが、最近は以前に比べると入院期間が短くなっています。入院中は精神療法をはじめ、作業療法、レクリエーション、退院に向けた生活技能訓練など、幅広いリハビリテーションのメニューを受けられます。
精神科では、軽い不眠症から幻覚妄想状態までの幅広い病気を扱います。
精神科の入院と聞くと強制入院のイメージが強いかもしれませんが、現在では患者さんの人権の観点から入院に関して細かい法律の規定があるため、患者さんが自分で希望して入院する任意入院が主流です。
ただし、患者さんに病識(自分の病気を認識していること)がなく、一定の経験を積んだ精神保健法指定医の診察の結果、知らないうちに自分自身や周囲の人を傷つけてしまう可能性が高いと判断された場合には患者さんの保護のため強制的に入院してもらうこともあり、これを医療保護入院と言います。
うつ病の入院治療は基本的には薬物療法を行い、外来でも可能な治療であることが少なくありません。
しかし、入院することによって生活リズムの改善が図られ、仕事・家庭から離れて十分な休養を取ることができるなど様々な効果が得られます。また、希死念慮が強い人は24時間体制でスタッフが監視することができ、自宅で看病を行う家族にも休養をもたらすことが可能です。
このように、うつ病の入院治療は、その治療効果だけでなく様々なメリットがあり、患者の状態や家族の希望などを総合的に考慮して決定されます。
基本的に、うつ病患者への面会が禁止されることはありませんが、症状が強く現れている時や自傷他害の恐れがあるときなどは医師によって面会が制限されることもあります。患者本人が他者との面会を望まない場合も、無理に面会することは症状を悪化させることにつながるので控えた方が無難です。
また、精神科病棟にはうつ病だけでなく、幻覚のある統合失調症などの患者も多数入院しているため、危険回避のためにハサミや果物ナイフ、傘、杖などの危険物となりうる物の持ち込みが制限されることもあります。面会や持ち込み物の制限は病院の指示に従うように注意しましょう。
イメージだけでうつ病の入院治療を嫌がり、そのことで治療が遅れてしまうのは大変もったいないです。入院した方が治療に集中できる環境が作れますし、症状が早く改善するという例も見られます。入院を必要以上に怖がらず、うつ病治療の選択肢のひとつとして考えてみましょう。