記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの腸の中には数百万の善玉菌が存在しています。これら善玉菌は消化において不可欠ですが、下痢をすると腸の中の微生物バランスが崩れてしまいます。そんなときにが腸内のバランスを整えてくれるのが、ヨーグルトに含まれる良い細菌や酵母の源である“プロバイオティクス”です。この記事では下痢に対するプロバイオティクスの働きについてご紹介します。
ヨーグルトが牛乳から生成され、カルシウム、ビタミンB-2、ビタミンB-12、カリウム、マグネシウムなどに加え、動物性タンパク質などの栄養素を豊富に含んでいます。
ヨーグルトは、以下のような特定の胃腸の症状を改善する可能性があります。
・便秘
・下痢
・炎症性腸疾患
プロバイオティクスとは「人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)、または、それらを含む製品、食品のこと」です。腸内のバランスを整える作用があり、善玉菌の生菌株は多くのヨーグルト製品内に含まれています。効果の立証にはまだまだ研究の必要があるものもありますが、プロバイオティクスのいくつかの系統が免疫系を促進し、健康な消化管を促進するのに役立つという証拠は確立されています。ただし、効果があるのは特定のタイプの下痢にのみとされています。
ここでは、プロバイオティクスによる改善が期待される下痢の種類について見ていきましょう。
プロバイオティクスには感染性下痢の発症ペースを、1日に1回から2日に1回というように半減させる効果がある可能性が、ロタウイルスによる下痢に関する研究で明らかになっています。また、少数の異なるプロバイオティクスを混合しても、このタイプの下痢の改善に効果がある可能性も示唆されており、今後の研究が期待されています。
小児と成人の両方に対する研究によって、抗菌薬の前にプロバイオティクスを摂取することで下痢のリスクを低下させる可能性があることが明らかになっています。
抗菌薬は病気の原因となる病原菌を退治する一方、体に良い影響を与える細菌も殺してしまう作用を持っています。
これは腸の正常なバランスが乱す原因なり、下痢を引き起こす要因となります。
一般的に抗菌薬を服用している人々の10%~30%に症状がこのような症状がみられるといわれています。
クロストリジウム・ディフィシル腸炎の細菌に感染すると結腸内で時には生命を脅かすほど重篤な大腸炎が起こり、下痢や炎症が発症します。プロバイオティクスにはこのような細菌からの感染を予防する効果と再発を防止する効果があるとされ、今後の研究が期待されています。
プロバイオティクスは炎症性腸疾患の形態のひとつである潰瘍性大腸炎の治療に役立つとされ、充分な結果は証明されていないものの、プロバイオティクスがクローン病の治療に役立つ可能性も示唆されています。
・ヨーグルト
・乳製品飲料
・カプセル、粉剤、液体などのサプリメント
いくつかのプロバイオティクスを試しながら、自身の体質やライフスタイルに合うものを探してみましょう。
ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスによって、上記で紹介したような特定の種類の下痢が改善されるという研究結果が明らかになっています。
日頃からヨーグルトを食事に取り入れることで、良好な腸内環境を保つことが期待できるでしょう。
体質などで乳製品を摂るのが難しい場合は、数種類の異なる菌株を持つサプリメントを試してみることをおすすめします。