テタニー症状とは、何が原因で引き起こされるの?治療はできる?

2018/1/16 記事改定日: 2018/9/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

テタニー症状とは、何らかの疾患などによって血液中のカルシウム濃度が下がることで起こる、筋肉の硬直やけいれんのことです。こちらの記事では、テタニー症状の概要や、その原因、治療法などについて解説します。

テタニー症状とは

テタニー症状とは、血液中のカルシウム濃度やマグネシウム濃度が低下することにより、末梢神経の興奮性が高まることで引き起こされる筋肉の持続的な硬直のことです。口の周りや手足の先端のしびれ感を伴うことも特徴です。テタニー症状には、以下のようなものが含まれます。

手足のけいれん
「助産婦の手兆候」と呼ばれる、手をすぼめたような形が見られます。
呼吸困難
原因にもよりますが、息がうまくできない、呼吸が早くなるといった様子が見られ、「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった呼吸音(喉頭喘鳴)が聞かれることもあります。
口唇周囲・四肢末端の蟻走感
口の周りや手足の先端のしびれの特徴として、蟻が体の上を這うような感覚であることが挙げられます。

また、手足だけでなく、喉頭や全身がけいれんする場合もあります。

テタニー症状のメカニズムは?なんで症状が起こるの?

テタニー症状は、血中のカルシウムやマグネシウムなどの電解質が減少することが原因で引き起こされます。特にカルシウムは筋肉や神経の興奮の調節を行う大切な電解質であり、カルシウムが不足することで神経や筋肉が過剰に興奮し、筋肉が痙攣することでテタニー症状が生じます。

テタニー症状を引き起こす原因は何?

テタニー症状を引き起こすものには、以下のようなものがあります。

甲状腺機能低下
甲状腺には「副甲状腺」と呼ばれる、体内のカルシウム量を調節するホルモンを分泌する内分泌腺があり、この副甲状腺の機能が低下するためにテタニー症状が起こることがあります。また、バセドウ病で手術をした後にテタニー症状が見られるケースがあることも知られています。
腎臓の疾患
腎臓の機能が低下することでカルシウムの排出が正常に行われなくなり、テタニー症状が起こります。
過換気症候群(過呼吸症候群)
テタニー症候群の原因で特に多いとされるのが過換気症候群です。過呼吸によって血液のpHがアルカリ側に傾くと「呼吸性アルカローシス」という状態になり、血液中のカルシウム濃度が低下するため、テタニー症状が生じます。

テタニー症状はどうやって治療すればいい?

テタニー症状は、血中のカルシウムが不足することで引き起こされます。このため、テタニー症状の治療にはグルコン酸カルシウムの投与が必要となります。
しかし、このようなカルシウム剤の投与は一時的に症状を改善するにとどまり、根本的な治療は副甲状腺機能低下症や腎機能障害などテタニー症状の原因となる病気の治療も同時に行っていく必要があります。

テタニー症状を引き起こす主要因のひとつ、「過換気症候群」とは

上記で触れた過換気症候群とは、過呼吸により、呼吸困難、動悸、手足のしびれやけいれんを含むテタニー症状や、頻脈、血圧上昇、顔面紅潮、意識障害などが引き起こされることをいいます。過呼吸で血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れると、血液がアルカリ性になって血管が収縮し、手足がしびれたり筋肉が硬直やけいれんしたりしてしまうのです。

何らかの疾患に起因するものではなく、緊張、パニック、不安、興奮、恐怖といった精神的なものや、疲労などの身体的なものが起因していると考えられています。

  • 神経質
  • 不安感が強い
  • 緊張しやすい

こうした傾向がある人によく見られることも過換気症候群の特徴です。

過換気症候群の治療法には、以下のようなものがあります。

  • 落ち着かせてゆっくり呼吸をするように促す
  • ペーパーバック法(酸素濃度などに十分に注意した上で、紙袋を口にあてて吐いた息をもう一度吸わせる)
  • 不安感や精神的な興奮が強い場合には抗不安薬や鎮静剤の投与

おわりに:テタニー症状は過換気症候群で生じることがある

手足のしびれや硬直といったテタニー症状の原因は甲状腺機能低下や腎機能の低下などがあり、過換気症候群で発症することもよくみられるといわれています。過換気症候群は不安や緊張などの精神的な原因で起こるものが大半です。過換気症候群が疑われる場合には、受診して適切な治療を受けてください。

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