記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/19 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
辛い腰痛をサポートしてくれる痛み止め薬として、塗り薬・貼り薬・飲み薬など様々なタイプのものが販売・処方されています。しかし、「薬を使っても腰痛に効かない!」という人も存在します。これはなぜでしょうか?薬が腰痛に効かない理由や、逆に腰痛に効くおすすめの薬についてご紹介します。
先述の通り、腰痛の原因によっては薬が効かないこともあります。そこで、腰痛を緩和するおすすめの薬を、原因別に解説していきます。
捻挫や外傷、リウマチなどの炎症による腰痛の場合は、ロキソニン®やボルタレン®などの消炎鎮痛薬が有効です。
コンドロイチンは軟骨の成分であり、膝の痛みなどの関節痛を緩和する効果があるとされ、椎間板の変形などによる腰痛には効果的と考えられます。市販の薬では、コンドロイチンZS錠®などがあります。
アンメルツNEO®やバンテリンコーワ液EX®などのボトル・スティックタイプの塗り薬には、鎮痛作用や血行促進効果があるとされます。なお、スプレータイプの塗り薬は慢性腰痛には効果を発揮しませんが、スポーツによる捻挫などが原因での腰痛には効果を発揮します。
冷感タイプの貼り薬は、捻挫や打撲などの炎症による腰痛の緩和に、温感タイプの貼り薬は、筋肉のコリや血行不良による腰痛の軽減にそれぞれ効果的です。
アミトリプチリンやデュロキセチンのようないわゆる抗うつ薬に分類される薬剤は、ストレスによる心因性の腰痛の改善に効果的とされています。
基本的に漢方薬は、血行不良や筋肉のコリによる慢性的な腰痛の緩和に効果的です。漢方には筋肉や骨に栄養を届け、血行を促進する効果があるとされます。
具体的に腰痛におすすめの漢方薬は、「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」などです。牛車腎気丸は冷えによる腰痛、芍薬甘草湯は筋肉の急激な痙攣による腰痛にそれぞれ効くと考えられています。
腰痛の薬も種類によっては、副作用が起こることがあります。ロキソニン®やボルタレン®などの消炎鎮痛薬は、即効性が高い一方で、胃への負担が大きいのがデメリットです。このため、胃痛や胸焼け、腎機能障害などの副作用が起こることがあります。
なお、腰痛の薬の処方薬の成分がアセトアミノフェンの場合は、上記の薬と比べて副作用が少ないですが、稀に肝機能障害を引き起こすことがあります。また、漢方薬の副作用ですが、人によっては吐き気やめまい、立ちくらみ、食欲不振などの副作用を引き起こす場合があります。
一般的な鎮痛薬や湿布などを使用しても痛みが軽減しない腰痛は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など腰の神経にダメージを与える病気や、尿管結石や膵炎など背中に近い部位の臓器の病気によって引き起こされている可能性があります。これらの腰痛は鎮痛薬で良くならないことも多々あり、腰痛を改善するには原因となる病気の治療を行わなければなりません。
長く続く腰痛は、思わぬ病気が潜んでいる可能性もありますので病院で相談するようにしましょう。また、すでに病院で治療中の人は、薬を飲んでも良くならない旨を医師に相談し、治療計画の見直しや精密検査の計画をしてもらう必要があります。
腰痛の原因や症状によって、薬が効くか効かないかは大きく変わっていきます。使っている薬剤の効き目が見られないようであれば、すみやかに医師に知らせ、別の腰痛治療薬を検討してもらいましょう。
また、薬剤だけで治そうとせずに、医師と相談しながらウォーキング、ストレッチなどの運動などを取り入れ、腰痛が改善しやすい体質作りをすることも大切です。