記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/19 記事改定日: 2020/4/2
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
タバコを吸ったときや、タバコの煙の臭いをかいで頭が痛くなった経験はありませんか?
この記事では、タバコの煙で頭痛が起きる原因と対処法について解説していきます。
タバコの煙で頭痛が起きるのは、以下のような「タバコの煙に含まれる化学物質」が原因と考えられます。
ニコチンは体に有害な成分です。タバコの煙を介してニコチンが体内に入ると、血管を収縮させることで脳へ供給する血液を減らしてしまい、頭痛を引き起こすことがあります。また、ニコチンにより肝臓の働きが悪くなったり、自律神経が乱れることも頭痛が起こる原因ではないかと考えられています。
ニコチンは頭痛だけでなく、体のこわばりや顔面痛を引き起こすことがあり、ニコチンが原因の頭痛は慢性化しやすいともいわれています。
一酸化炭素と聞くと、自動車の排気ガスや練炭やストーブなどの不完全燃焼の煙を連想するかもしれませんが、一酸化炭素はタバコからも排出されます。喫煙者は血中および脳内の一酸化炭素濃度が高いことが多く、このことも頭痛の原因と考えられます。
受動喫煙症とは、周囲の喫煙者が喫煙時に発する煙を吸い込む(受動喫煙)ことによって健康を害する病気のことを指します。
喫煙時に周囲の人が吸い込む可能性のある煙のことを「副流煙」と呼びますが、副流煙には上で述べたもの以外にも様々な有害成分が含まれています。そのため、自身が喫煙者でなくても家族や職場など身近な人に喫煙者がいるとタバコによる健康被害を受けることがあるのです。
受動喫煙症の症状の現れ方には個人差がありますが、頭痛が生じることも多いといわれています。そのほかにも、気管支炎や気管支喘息になりやすく、がんや脳卒中など命に関わる病気のリスクも高くなることが分かっていますので注意が必要です。
タバコの煙で頭痛が起こったときは、まずタバコの煙を遠ざけることが大切です。タバコの煙がない場所に移動して安静に過ごしましょう。空気がきれいなところで深呼吸をすることでリラックスできれば、早く改善することもあります。
また、マッサージやストレッチなどで改善することもありますが、タバコの煙が片頭痛のトリガーになることもあるので、安易に体を動かすことをおすすめしません。もし、体を動かして頭痛が悪化するようであれば片頭痛の可能性もあるので、すぐに安静にして痛みが出る部位を冷やしましょう。
頭痛薬に頼ることも悪くはありませんが、頭痛薬の常習は薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。タバコの煙による頭痛ではない可能性もありますので、何度も頭痛が起こる場合は専門の医療機関を受診し、適切な治療をしてもらいましょう。
喫煙習慣をやめることによる健康面へのメリットは、あえて述べるまでもないでしょう。タバコによって損なわれていた機能が禁煙をすることで徐々に回復し、頭痛もおさまっていきます。また、副流煙は主流煙以上に有害物質を含んでいるので、普段からタバコの煙を吸わない環境づくりに努めることもたいせつです。
いきなりタバコをきっぱりやめると、人によってはストレスやニコチンによる禁断症状が現れることがあります。まずは少しずつ本数を減らす努力からはじめてみましょう。あるいは、医師の指導のもと禁煙治療に取り組んでいくのもおすすめです。