肌がかゆくてしょうがない!掻痒(そうよう)症

2017/3/15

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

肌トラブルに休みはありません。
しかし、もっとも厳しい寒さを迎える冬の季節、肌に最大の危機が訪れます。
とにかく肌がかさついて、かゆみが出て、思わずポリポリと・・・
この行為は、肌にとって、絶対NGの大迷惑行為。
表皮が荒れ、少しの刺激にも過敏になり、かくと一層かゆくなるという悪循環を起こします。
乾燥肌のかゆみに悩まされているという人は少なくありません。
かゆみのメカニズムについて解説し、かゆみを抑えるための対処法を紹介します。

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掻痒(そうよう)症とは何ですか?

掻痒症は、肌がかゆくなる症状です。時には血が出るほど激しく掻きます。かゆみが出ても通常は深刻な事態になることはありませんが、不快な気持ちにさせます。
ほとんどの場合、かゆみは、保湿剤(モイスチャライザー)やローション、市販薬(尿素製剤、ヘパリン類似物質など)を使って、家庭で治療することができます。

掻痒症の原因は何ですか?

肌が乾燥すると、なぜかゆみが出るのか?それは、肌から脂質が減少し、肌の中の水分量も減ることで、肌を守るバリア機能が低下し、刺激に弱い状態になってしまうからです。そのため、ちょっと刺激が加わっただけで、かゆいと感じてしまうようになります。一度、乾燥肌のかゆみが出ると、慢性的な症状になります。

肌のかゆみはどう対処すればいいの?

乾燥肌のかゆみを和らげるには、保湿剤(モイスチャライザー)が効果的です。アレルギー反応を起こす可能性が低い、低刺激性のモイスチャライザーを選択してください。軟膏やオイルタイプがいちばん保湿性があり、以下、クリーム、ローションと続きます。 1日3〜4回、肌に保湿剤をつけ、肌の水分を保持します。 手の乾燥がひどい場合は、寝る前にワセリンを塗り、綿製の手袋をつけて就寝してください。入浴は乾燥肌に良さそうですが、頻繁な入浴は肌の乾燥につながります。ぬるめのお湯に短時間つかるか、シャワーにしてください。乾燥肌用の入浴剤を入れるのもいいです。石鹸は弱酸性のものがおすすめです。

かゆみを抑えるには?

かゆみを和らげるだけなら、保湿剤で十分です。あまり効かない場合、弱いステロイドクリームを1週間程度試し、それでも効果がない場合、より強いステロイド薬または抗ヒスタミン薬を使用します。かゆみを抑えるためにステロイドや軟膏をすでに使っている場合、強いステロイド薬や抗ヒスタミン薬を使う場合は、医師に必ず相談してください。
また、顔や性器にステロイドクリームをつけるのは厳禁です。皮膚が傷つき、他の問題を引き起こす可能性があります。

皮膚がとにかくかゆいです。医師に相談した方がいいですか?

乾燥した皮膚は、さまざまな細菌に感染しやすくなります。感染して皮膚炎になった場合、皮膚は赤くなり、熱を持ち、腫れ、体液がにじみ、抗生物質が必要になります。 重度のかゆみや痛みは、特に高齢者の場合、他の病気が原因になっていることがあります。ひどいかゆみや痛みが2週間以上続くならば、医師に相談してください。

おわりに ~乾燥肌は放置しない~

冬になって、空気が乾燥すると肌はカサカサになります。この段階で適切なケアを施すのが理想的。放置は絶対にNGです。
かゆくて、掻いているうちに、乾燥肌が、湿疹になり、状態が悪化していきます。でも、きちんとケアすれば、大丈夫。肌のかゆみの早めの対処法、解消法を実践しましょう。

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