記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
どんな恐怖症でも、日常生活を制限し、深刻な不安と抑うつを引き起こす可能性があり、心にも身体にも影響を及ぼします。この記事では、恐怖症によってあらわれる症状を解説していきます。
恐怖症を持つ人は、意図的に自分に恐怖や不安を引き起こすものと接触することを避けます。たとえば、クモに対して恐怖を持つ人(アラクノフォビア)は、クモに触れたり、写真を見ることでさえイヤだと思うでしょう。
場合によっては、激しい不快感自体に不安を感じたことが恐れとなり、恐怖症となっていることもあります。パニック起す恐れのある状況を目の当たりにする必要はなく、脳は、実際に恐怖を感じる状況にないときでさえ、恐怖に対する反応を作り出すことができます。
恐怖症の人は、突然パニック発作を起こすことがあります。パニック発作は、激しい不安感だけでなく、以下のような身体的症状を引き起こす可能性があります。
・発汗
・震え
・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)または寒気
・息切れまたは呼吸困難
・窒息感
・急な心拍(頻脈)
・胸の痛みや緊張
・胃の中がムカムカする
・吐き気
・頭痛やめまい
・倒れそうになる
・無感覚またはチクチクする
・ドライマウス
・トイレに行きたくなる
・耳でリンリン音が響く
・精神錯乱または見当識障害
重度の症例では、以下のような心理的な症状があらわれることもあります。
・コントロール喪失の恐れ
・失神の恐れ
・恐怖感
・死の恐れ
「広場恐怖症」や「社会恐怖症」のような複雑性恐怖症は、日常生活や精神的健康に悪影響を及ぼします。
広場恐怖症は、相互に関連した複数の恐怖症の組み合わせであることがあります。たとえば、外出することや自宅から出ることを恐れている人は、取り残されるという恐怖がある可能性があり(孤独恐怖症)、または場所に閉じこめられると感じる恐怖(閉所恐怖症)がある可能性があります。
広場恐怖症の人が経験する症状は、重症度によって異なることがあります。たとえば、家を出てお店に買い物に行く場合、強い不安を感じる人がいますが、一方で、自宅の近所に行くことは比較的快適に感じている人もいます。
社会恐怖症を抱えている場合、公共の場や社会的出来事において人から自分が見られるという考えが、恐怖、不安、神経衰弱を患者に引き起こします。意図的に社会的状況において人と会うことを避けることは、社会恐怖症の兆候といえます。
広場恐怖症や社会恐怖症が重症な場合は、強い恐怖感により、家から出られなくなります。 恐怖症に対する治療は数種類ありますが、複雑性恐怖症を克服するためには時間がかかります。
社会生活や日常生活で、自分で行動を制限したり、深刻な不安などを抱えている場合は、何かの恐怖症を抱えているということも考えられます。
ここで説明してきたような恐怖症の症状を自覚した場合は、ご自身で恐怖症を抱えていないか振り返ってみましょう。