痔の検査って、どんなことをするの? ~流れや内容について~

2017/7/26

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痔の症状は痛みや不快感が伴うことも多いため、できるだけ早く治したいですよね。そのためには病院での検査が必要ですが、恥ずかしさや診察への恐怖から中々検査を受けにくいという現状があります。そこでこの記事では、痔の検査に対する不安が少しでも減るように流れや内容についてご紹介します。

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痔の検査法について

まずはじめに、病歴と症状に関しての問診を行ないます。
問診では食習慣やトイレ習慣、浣腸や下剤を使っているか、また最近の健康状態についても質問されることが多いです。
その後に肛門の周りをチェックし、直腸検査を行って肛門と直腸の内部を確認するというのが痔の診察の主な流れです。

直腸診

痔があるかどうかを調べるために、肛門を検査します。
その際には直腸診と呼ばれる内部検査を行うこともあります。
直腸診では医師は手袋を着用し、潤滑剤を使用し、指を使って直腸の異常を触診します。
痛みがない場合がほとんどですが、触診中は多少不快感があるかもしれません。

肛門鏡検査

肛門鏡検査では肛門鏡を使用して肛門の内膜および下部直腸を診察します。
肛門と直腸を覆う組織を慎重に検査して、消化管の問題や腸疾患の徴候を探します。
その際に麻酔が必要となることはほとんどありません。

大腸内視鏡検査

内視鏡を使用して直腸と結腸を肉眼的に調べます。
他の消化管の病気の検査中や直腸や結腸の定期的な検査中に内痔核が発見されることがあります。

検査結果による内痔核の分類

医師は検査によって痔の種類を判断します
肛門の周りをチェックして外痔核を診断し、直腸検査と肛門と直腸の内部を確認することで、内痔核を診断することができます(肛門管の上部3分の2に発生する痔を内痔核、肛門に最も近い下部3分の1に発生する痔を外痔核と言います)。内痔核は程度によって4つに分類されます

1度:

肛門の内側に痔が発生している状態です。
肛門の外側からは見えず、小さな腫れができていますが肛門からで出てくる(脱出)ことはありません。

2度

痔が大きくなり、排便のときに肛門から出てくることがあります。
ただし、排便が終わると出てきた痔は自然に引っ込みます。

3度

排便後に肛門から出てきて、排便が終わっても自然には引っ込まず、指で押さないと元に戻らない状態です。

4度

排便に関係なく常に肛門から出てきている状態です。

「検査が恥ずかしい…」と感じたら

恥ずかしさから医師の診察を受けるのを嫌がる人も少なくないでしょう。
しかし、医師にとって痔の診断や治療は日常的な仕事です。
恥ずかしがらずに検査を受け、症状が悪化しない内に早めに治療をしてもらいましょう

おわりに:痔の検査を受けて症状を早めに治そう

痔の検査についておわかりいただけたでしょうか?
痔は重度のものになると手術が必要になる場合もあります。
症状が軽い内に検査をし、医師による治療を受けて早めに治療することがおすすめです。

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