記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ほとんどの食中毒の症状は二、三日で自然に治ります。しかし、食中毒の中には、医師の診察が必要な症状が出る場合もあります。今回の記事では、食中毒にかかった際に、医師の診察が必要になる症状をまとめました。
以下に、医師による食中毒の対処が必要になる状況を示します。
以下の症状にあてはまる場合は医師に相談しましょう。
・脱水の症状(口内の乾燥、尿の暗色化、尿がほとんど出ない)が強く、家庭で処置を施しても状態が悪化する
・発熱している
・自宅でしばらく安静にしていても改善しない、または悪化傾向にある
発熱や脱水がなく、下痢や軽度の腹痛がみられる程度であれば、経過観察を行うことが適切でしょう。というのも食中毒の大半は、数日から1週刊程度で自然に回復するからです。
但し、上記のように症状が強く改善傾向を認めないようであれば医療機関を受診することをお勧めします。
以下に示す症状があてはまる場合には、早急に病院を受診する必要があります。
大抵の場合、下痢によって引き起こされる主要な合併症といえば、脱水症です。脱水症の兆候とは、尿量が少ない(或いは全くでない)、目が落ち窪む、涙が出ない、口内が乾燥する、呼吸と鼓動が速くなる、意識が朦朧とする等があります。
子供や高齢者が下痢になっている場合は、脱水症を防ぐためにより一層の注意が必要です。なぜなら体内のバランスが崩れやすく、かつ自分で水分を補給するのが難しいからです。処置の目標は、嘔吐と下痢で失われた水分と電解質を補填することです。
脱水症が深刻で、家庭で対応仕切れない場合は、病院で処置を受ける必要があります。病院では、水分と電解質を点滴を使って直接血管内に供給します。下痢止めを用いると、症状は軽くなるかもしれませんが、発熱がある場合や血液の混じった下痢がある場合、子供の食中毒の場合は下痢止めを用いることを推奨されていません。また、抗生物質は、特定の毒素を原因とする一部の食中毒を除いて、めったに使われないでしょう。
以下に示す状況があてはまる場合には、直ちに医師の診察が必要です。
・下痢の症状が酷く(一、二時間置きにゆるい便が大量に出る)、二日以上(大人の場合)続く場合
・一日以上嘔吐が続く(大人の場合)
・突然、激しい腹痛に襲われた場合
食中毒は大抵は自然に治る病気ではありますが、注意が必要なことは多いです。また、食中毒にならないよう日常から予防することも重要な対策といえるでしょう。